2015年11月28日、名古屋市は策定中の2016年度から始める新しい食育推進計画で、これまで「朝食」から排除してきた「菓子パン」を初めて認めることを決めた。
PTA代表や有識者らでつくる懇談会では「栄養面で問題がある」と反対の意見が出たが、市側は、「まず、朝食を食べる習慣を身につけることが大切」という菓子パン派の意見を容認した。
「朝食を毎日食べている」80~90%に近づく
食育推進計画は全市民が対象で、これまでは「菓子(菓子パン)や果物、サプリメント(栄養補助食品)」は朝食の定義に入れていなかった。
名古屋市といえば、喫茶店などのモーニングサービスが盛りだくさんで、コーヒー1杯の料金に菓子パンをはじめ、サンドイッチやピザ、ヨーグルト、チーズ、ゆで卵、サラダ、イチゴなどがつき、しかも食べ放題というところが多いことで知られる。市が行なった朝食のアンケートでも、「朝食に菓子パン」という人が少なくなく、20~30歳代男女では8.1~14.3%にのぼった。菓子パンを朝食に含めることになると、「朝食を毎日食べている」20~30歳代男女は、現在の38.0~67.6%から52.0~76.8%にまで跳ね上がり、市が2020年の目標にしている80~90%に近づくことになる。
栄養士会は「菓子パンだけの朝食になってはいけません」
なお、日本栄養士会のサイトをみると、健康な食生活へのアドバイスとして、「朝食を抜いたり、主食だけの食事(かけうどん・おにぎり)や菓子パンだけになったりしていませんか? 必要な栄養素を1日3食バランスよくとることが大切です」と呼びかけている。