アニメ「のうりん」でも萌えキャラ批判 巨乳強調は「セクハラだ」「人権侵害だ」

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   ライトノベルが原作の人気アニメ「のうりん」は岐阜県美濃加茂市が舞台になっている。市がキャラをスタンプラリーのポスターに起用したところ、「見苦しい」「セクハラだ」「人権侵害だ」などと批判を浴び、抗議の電話が市に入るようになった。

   巨乳を強調しすぎている、キャラが淫らな表情をしている、というのが理由だ。萌えキャラを巡っては、三重県志摩市の17歳の海女さん「碧志摩メグ」が批判を受けて市が公認を取り消す騒動が起きた。今回もそれと似た構図だ。

  • スタンプラリー第4弾のポスター。表紙を飾っているのは「のうりん」の巨乳キャラ良田胡蝶。(画像は、美濃加茂市観光協会の公式ツイッターのスクリーンショット)
    スタンプラリー第4弾のポスター。表紙を飾っているのは「のうりん」の巨乳キャラ良田胡蝶。(画像は、美濃加茂市観光協会の公式ツイッターのスクリーンショット)
  • スタンプラリー第4弾のポスター。表紙を飾っているのは「のうりん」の巨乳キャラ良田胡蝶。(画像は、美濃加茂市観光協会の公式ツイッターのスクリーンショット)

市はアニメ制作のロケハン段階から協力をしてきた

   「のうりん」は県立の農業高校が舞台の、農業に青春を掛ける高校生たちの学園ラブコメディー作品だ。TVアニメは14 年1月から3月まで放送された。市はアニメ制作に協力体制を取り、ロケハンから付き合った。放送終了後はアニメ制作会社とコラボし、数々のイベントで「のうりん」のキャラクターを使ってきた。

   作者の白鳥士郎さんも近隣の出身ということもあり、市を頻繁に訪れては観光案内所の一日所長に就任するなど応援してきた。

   スタンプラリーのポスターは14年9月から約2か月ごとに更新されている。女性キャラクターを起用しているのが特徴で、1枚目が「木下林檎」、そして「中沢農」、「群雲りく」と続き、15年11月7日からの4枚目は「良田胡蝶」を使った。「良田」は畜産を専攻する2年生でキャラの中では一番の巨乳という設定だ。

   市の観光協会によると、ポスターが「不快だ!」などとネット上で批判が始まったのは15年11月28日ごろから。「いきなり」だったという。観光協会の公式ツイッターには、

「これセクハラですよね、完全に。市の観光協会の企画でこれは、怖いです」
「このイラストは、女性の目から見て不愉快きわまりないです。観光する気になど金輪際なれません」

といったコメントが寄せられた。掲示板やツイッターなどでも、

「普通に可愛い女の子が微笑んでる絵がメインなら問題ないのに、乳放り出して発情中みたいな絵をポスターのど真ん中に使う理由が分からない」
「人権侵害だ」

といった批判が出た。電話やメールでの抗議も複数市に寄せられている。一方で、なぜこんな絵柄で大騒ぎする必要があるのか、といった意見も出ている。

「観光に来る気もないノイジーマイノリティに負けないで下さい」

   観光協会のツイッターには1000ものリツイートがあるが、

「自分はこの企画もポスターも支持します。アニサカの成功を見ても、美濃加茂(岐阜)とのうりんとの友好な関係は明らかです。どうか、県外の、観光に来る気もないノイジーマイノリティに負けないで下さい」
「クレーマーたちに深い考えはありません。ただただ幼稚に感情的に非難し『恫喝』してるわけですから、そんな連中に惑わされて、『ことなかれ主義』で撤回すればかえって悪いイメージが広がってしまいます」

など応援メッセージもあり、反対派との論争が展開されている。

   観光協会によれば、これまで「のうりん」のキャラを使ったポスターや看板をいくつも作ってきたが批判は無く、これまで来なかった20代30代のアニメファンの男性や女性が観光に訪れるようになった。さらに、台湾、香港といった海外から訪れる人も増え、経済効果が上がっているのだという。そして、萌えキャラで問題となった「碧志摩メグ」と「良田」は状況が違うようだ、と見ている。「メグ」は海女さんら地元住民から反対されたが、「良田」のポスターは公開してから約1か月間、地元民に批判されたことはない。そのため、批判の多くは地元以外の人たちではないか、と観光協会では分析している。今後どのような対応をするかについては、

「まだ具体的にどうするかは決まっていませんが、ご批判を真摯に受け止め、なるべく多くの方に受け入れてもらえるような対応を図ってまいりたいと思います」

と話している。

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