「いよ~!」「わっはっはっは!」で夢のホルモンが
ここで、専門家4人に集まってもらい、3週間という短期間でアディポネクチンを簡単に増やす方法を議論してもらった。糖尿病のエキスパート、芳野原・東邦大名誉教授、アディポネクチンの発見者の1人、中野泰子・昭和大学教授、運動のプロ、大平哲也・福島医科大教授、脂肪細胞が専門の柴田玲・名古屋大特任講師だ。4時間の激論の末、まとまったエクササイズを、4人を代表して柴田講師がスタジオで実演した。名付けて「壁ネクチン体操」。ネクチンには「くっつく」という意味があるという。方法はこうだ。
(1)基本姿勢:家の中の壁に背中をくっつかせる。後頭部、肩、尻をピッタリ張り付けて、お腹に力をこめる。けっこうお腹に力が入り、内臓脂肪が刺激されポカポカしてきて、血流がよくなる。3分間。
(2)ひねり運動:背中を壁から離し半歩前に出て、体を大きく左右にねじりながら右手で左側、左手で右側の壁をタッチ。計30回。
(3)羽ばたき運動:壁にくっつき、両手を壁から浮かさずに鳥が羽ばたくように上下に動かす。3往復。
(4)基本姿勢:再び壁に張りつく。3分間。
(5)笑う深呼吸:両かかとを合わせ、両膝を開くようにしっかり曲げて腰を落とす。次に、両手をまっすぐ上にあげながら、「いよ~っ!」などと大きな掛け声を出す。左右から手を下ろし、膝を伸ばしながら「わ~はっはっは!」と大声でわらう。肩を壁につけながら肩甲骨を動かすと、首や肩周りの筋肉が脂肪を燃焼する。大声を出し、笑うことでお腹に力が入り、内臓脂肪が活性化し、アディポネクチンがどんどん出てくる。3回。
これを朝夕2回、計10分間毎日続けるといい。「壁ネクチン体操」を実演した松村がこう言った。
「これなら家でもできて、スッキリと気持ちがいい。『仕事の壁にぶつかる』ではなくて、『壁』という言葉がいいことに思えるのがうれしいです」
小野「以前は『壁ドン』が流行しましたが、これからは『壁ピタ』ですネ」