ももいろクローバーZの「紅白卒業宣言」を受け、ファンの間では議論が巻き起こっている。
背景にあるのは、元メンバーの早見あかりさん(20)と交わした約束だ。「紅白で会おうね」――。誓いが果たされるのを待ち望んできたファンの多くは、一夜明けた今も、複雑な思いを抱えている。
プロデューサー「みんなで考えた総意」
2015年11月26日夜、「第66回NHK紅白歌合戦」の出演者発表が行われ、人気アイドルグループ・ももいろクローバーZが落選となった。
3年連続で出場し、安定的な人気を誇ってきただけに、ファンにとってはまさかの出来事だった。だが、落選以上に衝撃的だったのが、公式サイトに掲載された「紅白歌合戦を卒業します」という異例の卒業宣言だった。同時に、第1回カウントダウン公演を行うことも明らかにされた。
ももクロのプロデューサーである川上アキラ氏は26日夜、卒業宣言は今回の落選を受けて出した答えであり、「みんなで考えた総意」だとツイッターで説明した。
川上氏の言葉を受けても、モノノフ(ももクロファンの愛称)たちは釈然としないようだ。元メンバーである早見さんとの約束が叶わなくなってしまったからだ。
「あかりん」の愛称で親しまれた早見さんは、グループがブレークする前の2011年に脱退。女優の道を歩み始めた。卒業コンサートでは、百田夏菜子さん(21)と「お互い大きくなって紅白で会おうね」と涙ながらに誓い合った。紅白出場は結成当初からの夢だったのだ。
ももクロが出演者で、あかりんが審査員――。そんな夢の共演が実現することをモノノフたちも願ってきた。それだけに、ネット上では昨夜から、
「全て裏切られた気分」
「あかりちゃんとの約束は茶番だったって事なんですかね」
「あかりんの約束を破るのは許せません」
「『残念ですがまた来年も頑張ります』って言ってほしかった」
との声が相次いでいる。
「覚悟あったのでは」「そんなに縛られなくても」
ただ、理解を示す声も少なくない。
「あーりん」こと佐々木彩夏さん(19)は27日に更新したブログで「正直、すごい悔しいし残念」と落選を悔やみながらも、「3年連続で紅白に出させていただけたことを誇りに その名に恥じないももクロで これからも走り続けたいと思います」と前向きな思いをつづった。
昨年紅白を欠席した有安杏果さん(20)も26日夜のブログで、「去年私だけ出れなくてせっかくみんながメッセージ書いてくれた衣装着れなくて絶対着る!って思ってたんだけどね、、、」と悔しさを滲ませながら、「モノノフとみんなと一緒に年越し出来るなんて嬉し過ぎるよーッ」と初のカウントダウン公演開催を喜んだ。
こうしたメンバーたちの心境を察した上で、
「卒業とか言いたくて言ってるんじゃないよね。本人達が一番悔しいよね」
「もうそれぞれ新たな道に進んで行ってるからいいんじゃないかと思う」
「出場基準もよくわからんし、もうそんなに紅白に縛られなくてもいいんじゃ」
「きっと、それなりの覚悟があったんだと思う」
と、肯定的な意見を寄せる者もいる。
ちなみに紅白初出場となった2012年には、メンバーたちの粋な演出により、早見さんとの「共演」が実現している。代表曲「行くぜっ!怪盗少女」を披露した際、ラストのメンバーコール部分で「We're the ももいろクローバー レニ カナコ アカリ シオリ アヤカ モモカ」と、早見さんが在籍していた当時の歌詞を使用し、ファンに大きな感動をもたらした。