「復興」「五輪」の建設需要に沸くさなかに......
建設工事は行程ごとに細分化や専門化が進み、ゼネコンなどの元請け業者の下に、多数の下請け業者が連なる多重構造が出来上がっている。元請けは全体を管理し、杭打ちや内装工事などの施工は下請けが担当する。「元々大手ゼネコンの管理は厳しかったが、多重構造が進むことで、管理が行き届かなくなっている」(業界関係者)と指摘される。ゼネコンに対する責任追及が今後強まっていく可能性は強い。
一方、2020年の東京五輪に加え、東日本大震災の復興需要もあり、建設市場は需要に供給が追いつかない状況だ。国土交通省によると、建設投資額は2010年度には約42兆円だったが、2014年度は約48兆円と2割近く上昇している。
まさに「書入れ時」を迎える中、今回の問題が建設自体の規制強化などにつながれば、ゼネコンへの影響は深刻だ。「自浄能力を打ち出し、問題に積極貢献する姿勢を示さなければ、さらに厳しい状況に置かれる」(業界関係者)との見方も強まる。いかに実効ある取り組みができるか、ゼネコンの本気度が問われている。