都心6区の中古マンション、一部で新築時より高値も
東京カンテイの井出武・上席主任研究員は、「東京都心ほど(販売価格の)値上がりは顕著です」と話す。すでに東京都心6区(千代田、中央、港、新宿、渋谷、文京)の中古マンションの一部は、新築時よりも高値をつけている。同社が2015年7月30日にまとめた調査によると、都心6区で2014年に売却された物件価格は、2005年の分譲時に比べて12.3%も値上がりしていた。
都心部の物件は交通利便性が高く、投資用の賃貸物件として人気がある。安定した賃料収入が見込めるとして、2015年も上昇傾向が続いている。
一方、都心6区以外の中古マンションは築年数の経過につれて値下がりするケースがほとんど。たとえば、東京都多摩地区で2005年に分譲された物件の価格は、14年には12.7%下落。横浜市でも2.9%下落している。
つまり、中古マンションの価格上昇は東京都心6区にきわめて限られた現象で、最近の「不動産バブル」が広がりをみせないまま崩壊してしまう可能性が強まっているわけだ。
2007年頃の不動産ミニバブルが崩壊したように、最近の在庫の急増が不動産バブル崩壊の「きっかけ」になるのかもしれない。