安倍晋三首相は、現在全国平均798円の最低賃金を2016年以降、毎年3%程度ずつ引き上げて、全国平均で1000円を目指すことを、2015年11月24日の経済財政諮問会議で表明した。経済政策「アベノミクス」の新たな目標である「一億総活躍社会の実現」に向けた政府の緊急対策に盛り込む。
同日の会議で、安倍首相は2020年ごろに国内総生産(GDP)600兆円を実現するためには、「賃金上昇による継続的な好循環を確立するとともに、最低賃金もこれにふさわしいものにしなくてはならない」と述べ、対応を関係閣僚に指示した。
しかし、最低賃金の「3%」の引き上げは、引き上げ幅で約24円となり、過去最大だった15年度の18円増(2.3%増)を大きく上回る。ハードルは低くない。