体重増を気にしている人から、何かと目の敵にされるのが揚げ物だ。
だが、韓国・慶熙大学校の研究者による調査から、揚げ物をどれだけ食べてもコレステロール値は上昇しなかったことが分かった。
空腹時血糖値や中性脂肪値も変化なし
英ケンブリッジ大の論文誌「ケンブリッジジャーナル」電子版に2015年10月9日付で掲載された慶熙大の研究発表は、同大が韓国の「全国健康・栄養調査」を基に19歳以上の男女9221人の1週間の揚げ物消費量と空腹時血糖値、コレステロール値、血圧、ウエストの関係を調査したものだ。
結果は、揚げ物の消費量が増えて値が上昇したのは血圧のみで、空腹時血糖値やコレステロール値、中性脂肪値に変化は見られなかった。メタボリック症候群をはじめ代謝異常のリスクにもなかったという。
厚労省はコレステロール摂取量の目標値撤廃
日本ではかつて、1日当たりのコレステロール摂取量を制限する目標値を定めていた。しかし厚生労働省は2014年、「目標量を算定するのに十分な科学的根拠が得られなかった」として数値化をやめた。「コレステロール値が高い」とされた鶏卵の実験では、1日に2個以上摂取したグループとほとんど摂取しないグループの死亡率を比べても有意な差は認められなかった。
今回の研究で、コレステロールに限って言えば揚げ物も卵と同じく、「食べても大丈夫」と認められたと言えそうだ。