歯科医院のユニーク勉強会35年 「食のゆがみ」と「体のゆがみ」を正そう

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   「良い歯の会」35周年記念の講演・懇親会が2015年11月14日、群馬県高崎市のホテルで開かれた。市内で 3軒の歯科医院を展開する丸橋全人歯科グループが患者さん相手に開いている極めてユニークな勉強会は、主宰者である丸橋賢・院長の、変わらない情熱、信念の賜物だ。

  • 「良い歯の会」は人間の回復を目ざす会でもある(写真はイメージ)
    「良い歯の会」は人間の回復を目ざす会でもある(写真はイメージ)
  • 「良い歯の会」は人間の回復を目ざす会でもある(写真はイメージ)

のべ6万5000人が参加

   丸橋さんは東北大学歯学部を卒業、1974年、郷里に近い高崎市で開業した。歯周病治療の独自研究から問題の根本は食生活にあると確信、81年に「良い歯の会」を発足させた。食文化に関する勉強会・講演会を毎月開き、「いのち」(医・農・智)と題する機関紙を発行、会にはのべ6万5000人が参加している。

   「良い歯の会が35年追い求めてきたもの」と題した講演で、丸橋さんは「大衆になるな」とくり返し訴えた。自分の目で見て、頭で判断し、責任を持って行動できる自立した個人になることが何より重要で、時流に流される大衆は価値がない。日本人の大衆化が民族を愚劣化、低レベル化させ、世界一ひどい歯科治療につながった。農業、食物、教育と協力してきた健康教室(良い歯の会)は人間の回復を目ざす会でもある、と。

   丸橋さんが常に提言するのは「食のゆがみ」と「体のゆがみ」を正すことだ。「食」の要は有機農産物で、丸橋さん自身も有機肥料、無農薬での野菜作りを実践している。ビタミン、ミネラルの豊富な食品で、歯肉はピンク色に戻り、骨も硬くなり、体の治癒力が回復する。

   「体のゆがみ」の元は歯のかみ合わせの悪いこと。軟らかい食品が増え、かまなくなったことでかみ合わせの悪い日本人が増えている。顔がゆがんだり、姿勢が傾いたりする。かみ合わせを正すと全身のさまざまな痛みや症状が消えるが、当初は丸橋さん自身が効果を信じられないほどだった。十分な技術を持たない歯科医が多く、歯の治療でかみ合わせがさらにひどくなっていることも多いという。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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