ツイッター上で新潟県内の弁護士に誹謗中傷する投稿を繰り返していた人物が、地元有力紙「新潟日報」の現役社員であることが分かった。
この社員は相手の名前を呼びに捨てにして「弁護士の仕事やめろ」などと暴言を繰り返したほか、一般ユーザーにも「死ね」といった言葉を何度も書き込んでいた。
「あなたは、Twitterにはまって人生をしくじる」と挑発も
誹謗中傷を受けたのは、新潟水俣病訴訟で原告の弁護団長を務める高島章氏。2015年11月20日夜、「壇宿六(闇のキャンディ-ズ)」と名乗るアカウントから突然、「高島、うぜーよ!ヘサヨ!」(原文ママ)という投稿が寄せられた。
壇宿六はさらに
「弁護士やめればいいのに。FXで儲けてるらしいから」
「こんな弁護士が新潟水俣病三次訴訟の主力ってほんとかよ...。テさ呆れるやら、患者さんがかわいそうやら...」(原文ママ)
などと侮辱する内容を繰り返した。「あなたは、Twitterにはまって人生をしくじる。悪いこといわないからやめなさい」と挑発する投稿もあった。
高島弁護士はJ-CASTニュースの取材に、暴言が寄せられるようになった直接のきっかけは分からないとした上で、「ツイッター上に『はすみリスト』に批判的な内容の投稿をしたからではないか」と説明した。
「はすみリスト」とは、「そうだ、難民しよう」などの文言が物議を醸した、はすみとしこさんのイラストに、フェイスブック上で「いいね」を押した人などの名前や勤務先の個人情報をまとめたもの。ネット上では、こうしたリストを作ってアップすることに批判的な意見が少なからずあった。
一方の壇宿六は、直接のつながりは分からないものの、ヘイトスピーチへの反対などを主張する集団「しばき隊」に同調するツイートを繰り返しており、リスト作成にも賛同していたとみられる。
壇宿六は11月21日未明にかけて高島氏のほか、一般のツイッターユーザーにも「お前は馬鹿」「この低脳。はよ、死ね」「アニメアイコンはクソなんだから死ね」などと暴言を連発。高島氏がツイッターで要請した電話でのやり取りも拒否していた。
しかし、11月23日になって流れが一変した。フェイスブックなどの情報から壇宿六の正体が新潟日報の社員ではないかと憶測が出たのだ。高島氏はすぐに壇宿六へ事実確認するツイートを送った。
「当方はアルコールを飲んでツイートしてしまい......」
高島弁護士によると、11月23日13時ごろ「壇宿六」から直接電話がかかってきた。自分が新潟日報の記者で、上越支社の報道部長であることを認め、投稿に関して謝罪があったという。
壇宿六のツイッターでもその直後に、
「高島章弁護士に対して暴力的次ツイートに関して高島弁護士に正式に謝罪いたします。当夜、当方はアルコールを飲んでツイートしていたところ、高島氏があ私に関してツイートをしていることに腹を立て、高島氏を侮辱するツイートしてしまいました」(原文ママ)
とし、訴訟に関する事実誤認があったことなども認め、謝罪した。
高島氏によれば、この社員は新潟日報の役職者と訪問し、直接謝罪があったことなどから、同社員の謝罪を受け入れたという。
ネット上では、この「壇宿六」が過去に書いたとされる政府関係者やレイシストを誹謗する投稿が次々に公開され、新潟日報に対する批判も起きている。
新潟日報として社員への処分はどうするのか、紙面やサイトで声明などを出すのか。J-CASTニュースの取材に同社は
「このたびの事案に関する経緯や事情を本人等から聴取し、調査を進めている。社として対処すべきことがあれば、適切に対応していく」
と回答した。