慢性赤字に相次ぐトラブル、新幹線費用も追い打ち
一方で、道民からは「観光列車も経費削減の対象になった」「北海道新幹線に費用がかかって苦しいからな」などとJR北海道の窮状を実感しているだけに理解を示す声も聞かれる。
JR北海道は2015年3月期連結決算で本業のもうけを示す営業利益が308億円の赤字(前期286億円の赤字)を記録し、さらに2015年9月中間決算も105億円の赤字(前年同期99億円の赤字)となっている。鉄道事業は慢性的な赤字だが、そこに最近相次いだトラブル対応のための修繕費や北海道新幹線の開業準備費用などが追い打ちをかけた形だ。
こうした状況からJR北海道は2015年9月にディーゼル車で運行する普通列車の約15%を減便することを明らかにし、駅の廃止や無人化も進めるなどコスト削減に努めている。流氷ノロッコ号も人気こそ高いが「経営立て直しには合理化しかなく、赤字を垂れ流す地方路線の廃止は仕方ない」(北海道関係者)との指摘もある。
この冬の「流氷ノロッコ号」が乗り納めとなるのだろうか。