アマゾン「1時間以内にお届け」 過熱する「配達の速さ」競争

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配送サービスの「速さ」で生き残り...

   野村総合研究所(2014年12月発表)によると、ネット通販の市場規模は2014年度に12兆8000億円、2020年度には25兆1000億円に拡大するとみている。14年度から20年度までの年平均成長率は11.9%になる。

   高齢者世帯や共働き世帯などが増え、その利用が見込まれている一方で、事業者間の競争は激しくなるばかり。そんな中で、家電量販店のヨドバシカメラの配送サービスが好評だ。同社は通販サイトのヨドバシ・ドット・コムと店舗のサービスを2015年6月に統合。「ネットで注文、店舗で受け取り」を可能にしたほか、取り寄せ商品やお持ち帰りできない商品の配送料を「無料」にした。

   しかも商品を注文した当日に受け取れるエリアは、全国の人口カバー率で75%、翌日配送だとそれが98.6%にも達する。東京都内の一部地域では、ネットでの注文から6時間ほどで配送できるとされる。品揃えも家電製品はもちろん、キッチン周りや文具・オフィス用品、化粧品、コメや飲料、野菜まで取り揃えているというから、家電量販店の領域を超えている。

インターネットには、

「昨晩ヨドバシで頼んだのが朝一番で届いた。スゴイ!」
「Amazonも安いけど、年間3900円払わないと当日には届かないから、ヨドバシで買うことが増えた。Amazonよりは少し高いけど、ポイントも加えると同額か少し安い」

といった声が寄せられている。

   配送サービスをめぐるネット通販の競争は「時間指定」や「翌日配送」はもはや当然で、最近は「無料」や「当日配送」が主流。さらに「速さ」が求められるようになった。

   ただ、ネット通販の利用が急増したことで、宅配便の物量も増加。2013年には佐川急便がアマゾンとの取引から撤退。ヤマト運輸への負担が集中したこともあり、アマゾンに限らず、どの通販サイトも「自前配送」を余儀なくされてきたとの見方がある。

   自前配送により、物流網の整備や人員増などのコストアップが予想されるなか、「速さ」へのこだわりは、配送サービスの充実なしには生き残れないとの危機感があるとみられる。

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