インターネット通販が配達時間の速さを競っている。アマゾン・ジャパンが「Amazonプライム」会員向けの新サービスとして、午前6時の注文から翌日深夜1時までに、買った商品を1時間以内に届ける「Prime Now」を開始した。
楽天は、食料品や日用品などを最短20分で届けるサービスを2015年8月から始めている。いまや翌日や当日の配達は当たり前。「時間」や「分」を競う時代になってきたようだ。
アマゾン、食料品や日用品、家電など約1万8000点を取り扱い
アマゾン・ジャパンが2015年11月19日に発表した「Prime Now」は、年会費3900円(税込)で「お急ぎ便」や「お届け日時指定便」を追加料金なしで無制限に使える「プライム会員」が対象。サービスを利用するには別途送料890円と、スマートフォン専用のアプリケーション「Prime Now」が必要になる。
注文は1回あたり2500円以上で、商品は1個から利用できる。注文のときに詳細な配送方法を指示できたり、配送時にはGPS機能を使って配送状況を確認できたりする。
注文の受付時間は6時~23時59分。配達は深夜1時まで。また24時間の注文時間で、配送時間が6時から深夜0時のあいだ2時間単位の配達時間を選べる、配送料無料の「2時間便」の2種類から選べる。
サービスの対象エリアは、東京都世田谷区、目黒区、大田区、品川区、渋谷区、港区、杉並区、新宿区(一部除く)で、順次広げていく。対応する商品は、食料品や日用品、ペット用品、本、おもちゃ・ゲーム関連、文具、家電、パソコン周辺機器など約1万8000点を、幅広く取り扱う。
一方、楽天の「楽びん!」は注文から最短20分で届ける。スマホ専用のアプリで24時間いつでも注文することができて、買った商品を自宅などに専用の配送車で届けてくれる。受け取りも24時間可能だ。
東京都内に設けた専用倉庫を中心に、地域内で複数の配送車が回遊。独自に開発したシステムで注文内容や位置情報などをもとに、商品を一番速く届けることができる配送車に自動的に配達を指示することで短時間での配達を実現した。
配送料はスタッフが玄関先などまで届ける場合で770円、高層マンションの下など配送車の脇で受け取る場合は390円。対象は渋谷区や目黒区、世田谷区、港区の一部地域にある自宅やオフィスなどで、飲料や菓子のほか、洗剤やトイレットペーパーといった日用品など、約450点を取り扱う。対象地域や商品数の拡大は今後検討するとしている。