【健康カプセル!ゲンキの時間】(TBS系)2015年10月4日放送
「ひざ痛」
膝の痛みに苦しむ人は推定3000万人もいるという。
MCの三宅裕司「僕は調子が悪い時は、膝の裏が痛むね~」
MCの渡辺満里奈「長く正座した後は、もう膝がグラグラして立てません」
アシスタントの英玲奈「飛行機で長時間移動するとお皿が痛みます」
膝が痛い人に「正座」が効くとは、ど~して?
膝の痛みは人それぞれだ。番組の冒頭、スタッフが理学療法士の杉浦史郎さんと一緒に日本一の道具街、東京都台東区のかっぱ橋商店街に行き、膝痛に悩む人を探す。63歳の男性Yさん。仕事はデザイナーで、いつも長時間椅子に座っている。杉浦さんが膝の裏を触ると、内側が痛いという。変形性膝関節症の典型的な痛みだ。お皿の部分の骨と骨の接地面でクッションの役目を果たしている軟骨がすり減って、骨同士が直接当たるからだ。杉浦さんが椅子に座って仕事をするYさんの姿勢に注目する。
杉浦さん「う~む、猫背ですね。それにO脚気味に足を広げて座っている」
スタッフ「椅子に座っているのに、姿勢が膝と関係あるんですか?」
杉浦さん「猫背の姿勢は、骨盤が後ろに引っ張られて膝が開きます。またO脚は、膝が変形して、本来は当たらない内側同士の骨がギシギシぶつかるようになる。だから、膝の内側が痛むのです」
姿勢の悪さを指摘されてショックを受けているYさんに、杉浦さんは「正座ストレッチ」を勧めた。方法はこうだ。
(1)正座でしっかり膝を曲げ、10秒キープ。膝が痛くて正座できない人は、座布団を膝の裏にはさんで行うと痛くない。
(2)曲げた後は、ひざをしっかり10秒伸ばす。これを10回ずつ朝晩2回。
ここで千葉大学医学部教授の佐粧孝久教授(整形外科)が登場。
三宅「膝の痛い人に正座なんかさせて、大丈夫なんですか?」
佐粧教授「痛みが出ると、かばうために膝が固まってしまいます。積極的に動かして、膝の中にある関節液を循環させるのです。関節液には栄養がたっぷりあり、軟骨に行き渡らせる必要があります」
立ちっぱなしの人にいい「裕次郎スタイル」って何?
かっぱ橋で見つけた2人目の膝痛人は39歳の男性Uさん。料理人で1日10時間以上立ちっぱなしの仕事を20年近く続けた。左膝を曲げると痛い。杉浦さんは、Uさんに「裕次郎スタイル」で仕事をするよう勧めた。石原裕次郎が波止場で片足を上げてキメテるポーズだ。立ちっぱなしの人向けストレッチだ。
(1)分厚い電話帳や漫画本を床に置き、その上に片足を乗せる。
(2)30分に1回乗せる足を替える。
佐粧教授「膝の軟骨の1か所に負担がかかるのがいけません。負担を分散させることを心がけてください。主婦が台所に立つ時もオススメですよ」
渡辺「座り仕事でも立ち仕事でも、膝を痛めてしまうのですねえ」
佐粧教授「一度減った軟骨は元に戻りません」
渡辺「ええっ、ショックです! 軟骨が減る時のサインはありますか?」
佐粧教授「膝を動かすと時にゴキゴキ、ジャリジャリ音がすると要注意です」
簡単ラクラクのスクワットを紹介
そうなる前に予防することが大事なのだ。佐粧教授は「肥満が膝に一番悪い」と強調した。
佐粧教授「3キロ体重が増えると、膝への負担は3倍以上、10キロ増えます。逆に3キロ体重を減らすと、10キロも負担を減らすことができます」
渡辺&三宅「な、なるほど!」
ところで、膝に水がたまり、注射器で抜く治療をする人は多い。あの「水」は何なのか? 番組では73歳の男性の水を抜く場面を紹介した。注射器の中に30ミリリットル。正常な人の10倍の量だ。実はこれ、関節液である。注射液の中にフワフワと浮いて、キラキラ光る白い物がいくつも見える。
佐粧教授「これが炎症の原因。すり減った軟骨のカケラです」
渡辺「わ~、痛そうですね」
佐粧教授「軟骨は元に戻りませんから、残念ながら水を抜いても根本治療にはなりません。ヒアルロン酸を注射する治療があり、7割の人に有効ですが、結局、膝痛が進まないためには本人の努力が必要です」
三宅「努力って、何をするんですか?」
佐粧教授「筋力をつけることです」
佐粧教授が膝痛の人でもできる「手抜きスクワット」をスタジオで実演した。
(1)足を肩幅に開く。
(2)腰を10センチ落としてそのまま10秒キープ。太ももの前側の筋肉を固くするのがコツだ。これを10回ずつ1日2回がオススメ。
佐粧教授「ご自分の努力を、手抜きをしつつ続けましょう」