地上300メートルANA機にレーザー照射の謎 市販のものではそんな威力はない?

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高出力のレーザーポインターの製造・販売は違法

   レーザーポインターを使ったとみられる照射事件はこれまでもたびたび起っている。1997年、プロ野球・大阪ドーム球場での試合でヤクルトスワローズの吉井理人投手の目の付近にレーザーが当てられるという事件が発生。サッカーでは2013年のワールドカップブラジル大会・アジア最終予選の対ヨルダン戦で、ゴールキーパーの川島永嗣選手などに観客席からレーザー光とみられる緑色の光線が照射された。

   さらに競馬では、競走馬の順位を操作しようと目論んだ観客が競走馬を狙ってレーザーポインターを使用した疑惑が起こり、コンサートでも2008年に歌手の松田聖子さんに向けて照射されたりしている。レーザー光が子どもの目に当たり視力が低下する事故やトラブルも相次いだ。

   こうした問題を受けて、国は消費生活用製品安全法を改正。2001年から規定以上の高出力のレーザーポインターの製造や輸入、販売を禁止した。

   経済産業省・製品安全課によると、レーザーポインター(携帯用レーザー応用装置)は、主に玩具として販売されている「クラス1」と、プレゼンテーション用として使われる「クラス2」が販売されている。クラス1は、おおむね0.2ミリワット(mW)前後の出力で、これは100秒間瞬きせずに直視しても問題ない程度。クラス2は、1mW未満の出力で、0.25秒間未満の直視は問題ないとされる。

   製造・輸入、販売には技術基準への適合性義務を負い、かつ製造・輸入事業者としての届け出が必要となるほか、製品は第3セクターの検査を受け、PSCマークの認定が必要になる。これより威力の強い、高出力のレーザーポインターの製造・販売した場合は違法となり、経産省が回収を命じることができる。

   伊丹空港での事件について、経産省は「(クラス2以上の製品が市場に)完全にないとは言いきれませんが、市販のものが、300メートル先からの照射がパイロットの目くらまし効果になるほど威力のあるものとは考えづらいです」と話す。

   違法レーザーポインターの可能性も否定できないという。

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