俳優でグルメリポーターとしても活躍した阿藤快さんが、平均寿命を大幅に下回る69歳で亡くなったことを受け、過去に大好物だったというラーメンが影響したのではないか、という声が再びネットで広がっている。
「脂っこい」「塩分が多い」というイメージがあるラーメンの食べ過ぎには、どんなリスクがあるのか。
ラーメン評論家で若くして亡くなった人も...
2015年11月16日に亡くなった阿藤さんの死因は大動脈破裂胸腔内出血。動脈硬化が進み、血管に老廃物などがたまり、瘤状にふくらみ、破裂することで起きる。
この訃報を受け、グルメリポーターとしての活躍、特にラーメンの食べ過ぎが影響したのではないか、という見方がネット上では広がっている。ツイッターなどには
「炭水化物を脂で流し込むような料理だもんな」
「ラーメン、ほんと早死にするよ」
「ラーメンとか塩分多すぎでやばい」
といった書き込みがあった。
もちろん、阿藤さんのラーメンの食べ過ぎが直接、死因につながったと言い切れる根拠はない。しかし、同じようにたくさんラーメンを食べていた評論家などで、若くして亡くなった人がいることが、改めて注目されるきっかけとなった。
日本ラーメン協会副会長で1日何杯も食べることもあった評論家の武内伸さんは2008年に肝硬変で亡くなった。48歳だった。「支那そばや」創業者の佐野実さんは2014年、多機能不全のため63歳で亡くなっている。
「スープを飲みきらないことが大事」と健康専門家
ラーメンの食べ過ぎには、どのような健康リスクが考えられるのだろうか。
文教大健康栄養学部の笠岡誠一教授は、ラーメンの脂質量の多さが高脂血症、塩分の多さが高血圧症につながるリスクがあると指摘する。いずれも動脈硬化の原因になる症状だ。特に「スープを飲みきらないことが大事」という。スープには塩分や脂質が溶け込んでいるからだ。
ラーメンを食べる頻度については、「その人のもともとの食生活がどうなのかに、依存します」とした上で、「1週間に1度程度であればいいのかもしれません」という。
国立健康・栄養研究所の栄養疫学研究部の担当者も、同様に「スープは飲み干さず、なるべく少なめにする方がいい」という。食塩、脂質の多さが動脈硬化につながる恐れがあるからだ。
ただ、2014年に胆管癌のため51歳で亡くなったラーメン評論家の北島秀一さんは生前、
「北島はラーメンのせいで死んだといわれてしまうだろうけど、僕の病気とラーメンはまったく関係無いということを、僕が死んだ後に必ず伝えて欲しい」
と語ったという。病室でのこのやり取りを明かした、ラーメン評論の後輩である山路力也さんはブログで当時、「最後の最後までラーメン愛を貫く人でありました」と評している。