「レッドブル」飲んだ米国人「死亡報道」で大騒ぎ 日本のまとめサイト「デマ情報」に引っかかり、相次ぎ「謝罪」

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   エナジードリンク「レッドブル」を大量に飲んだアメリカの男性(38)の心臓が張り裂けそうになり、病院に運ばれ死亡した--。そんなアメリカ発のニュースがネット上に流れ、日本国内のまとめサイト大手が次々に「事実」として記事にしたことで大騒ぎになった。

   以前から「レッドブル」を大量に飲めばどうなるのか、といった議論が出ていて、心臓病を抱えている人は飲むのを避けたほうがいいという有名な話があり、今回の男性死亡のニュースを信じる人が多く出た。

  • レッドブルを大量に飲んだ男性が死亡したという記事を、多くのまとめサイトが配信した
    レッドブルを大量に飲んだ男性が死亡したという記事を、多くのまとめサイトが配信した
  • レッドブルを大量に飲んだ男性が死亡したという記事を、多くのまとめサイトが配信した

24オンス缶(710ミリリットル)を18時間で24缶飲み心臓破裂寸前に?

   アメリカのニュースサイト「Now8News」は2015年11月11日付で、「レッドブルを24本飲んだ男が心臓発作を起こし、病院で苦しむその姿をカメラが捉えた」という見出しの記事を掲載した。記事によれば、ヒスパニック系のこの男性は、18時間の間に24オンス缶(710ミリリットル)の「レッドブル」を24缶飲んだところ、めまいと胸の痛みを起こし、病院に運ばれ1時間後に死亡した、という。24オンスの「レッドブル」にはコーラを7缶飲むのと同じ240mgのカフェインが含まれている。そのためカフェイン中毒になり死亡する可能性がある。これが今回の男性のケースである、などと書き、男性が病院で苦しんでいるとする動画を掲載した。その動画には、心臓のようなものが外に飛び出さんばかりに動いている、というように見えるものが映っている。

   このニュースを日本のまとめサイト大手が「事実」として次々に記事にしたため情報が一気に広まり、「噂に聞いていたが、とうとう明るみになった」などと信じる人が多く出た。

   一方で、今回のニュースの検証も始まり、ブログなどで「デマではないか」と主張する人も現れた。そもそも「レッドブル」には24オンス缶など存在しないし、18時間で17リットル飲むなど考えられない。掲載された動画も心臓発作だとは到底思えない。そしてニュースサイト「Now8News」自体が嘘のニュースを売り物にしているようだ、という指摘も出された。事実、掲載されている別の記事を見ると、「レストランで見つかったホームレスの男性はボブ・マーリーであることが分かった」というのがあるが、レゲエミュージシャンのボブ・マーリーは1981年に死亡している。

「どう考えてもガセです。本当に申し訳ございませんでした」

   「Now8News」の他の記事では、22歳の有名女性シンガーが浴槽で溺れて死んだことが分かった、というものもあるが、もちろん彼女は生きている。そして、ハンバーガーチェーン「バーガーキング」に来ていた44歳の女性が12歳の自分の息子に乳を吸わせた、という記事もある。息子が喉が渇いたのでそうしたというもので、親子は「バーガーキング」から追い出されることになり、母親は怒って、現在は「マクドナルド」を利用している、という訳のわからない内容だ。

   こうした指摘を受けて、多くのまとめサイトは「ガセ」情報を記事にしてしまった可能性が高いなどとし11月18日になって、

「と言うわけでどう考えてもガセです。本当に申し訳ございませんでした」
「記事はほぼガセであることが分かりました。記事のインパクトが大きく、つい衝撃を受けた勢いそのままにやってしまいました。大変申し訳ありませんでした」

などと相次いで謝罪することになった。

   念のため、J-CAST編集部がレッドブル・ジャパンに話を聞いてみたところ、

「弊社としては信憑性のない情報に関するコメントはありません」

という答えが返ってきた。

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