「元大リーグ」和田・藤川の古巣復帰の意味 ベテラン引退で人材不足のプロ球界露呈

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松坂大輔も鳴かず飛ばず

   大リーグからの出戻り選手は何人もいる。今シーズンでいえば、楽天の松井稼頭央やロッテの井口資仁らだ。

   隠れているのがソフトバンクの松坂大輔。「3年、8億円」で今季から所属しながら登板ゼロ。ずっと米国で手術したヒジの後遺症と闘っている。

   そのソフトバンクが、自軍で新人王とMVPを獲得した和田を獲得したのだが、松坂のようにならないか、心配のタネである。ただ、松坂と違って投げられる状態にあることは間違いない。

   藤川の評価は低くはない。このオフ、ヤクルトや中日が獲得に動いたという情報もある。四国で投げられることを確認できたからだが、古巣の阪神に金本知憲が監督に就任したことが復帰への決め手となった。

「現役を大リーグで終えたい」

こう言い残して米国へ旅立っただけに、名誉挽回への意気込みは相当なものだろう。

   日本のプロ野球では、今シーズン終了後、実力のあるベテランが次々と現役を引退した。中日の谷繁元信、山本昌、和田一浩、小笠原道大、巨人の高橋由伸、西武の西口文也らである。

   といって彼らの穴を埋める選手はそうはいない。各球団は米球界をはじめ、アジア、中南米、さらに国内の独立リーグに網を張っている。和田、藤川は「出戻り枠」といえるかもしれない。

   プロ野球は今、新しい時代を迎え、これまでの控え選手にレギュラー取りの希望が膨らんでもいる。ただ言えることは、年々、人材が少なくなっていることである。(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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