電車・バス通勤は徒歩・自転車より健康的? 生活習慣病リスクが16~31%減 米の学会で発表

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   通勤に電車やバスを使う人は、意外にも徒歩や自転車で通勤する人より糖尿病や高血圧のリスクが低くなるという研究成果が、2015年11月8日の米国心臓協会年次集会で日本人研究者によって発表された。

  • 毎日の通勤では駅の中でもけっこう歩いている
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電車・バス通勤者はマイカー通勤者より肥満リスク42%低い

   発表したのは、関西医科大学内科学講師の辻久子医師。辻さんは大阪府守口市の市民保健センター保険総長を務めており、2012年に同市で行った健康診断を受診した就労者5888人の健康データをもとに、通勤方法と健康状態の関連を調べた。対象者には日常の身体活動について、(1)通勤方法(2)職場でどのくらい体を動かすか(3)余暇時間での運動を聞いた。また、通勤方法については、(1)電車またはバス(2)マイカー(自動車またはオートバイ)(3)徒歩または自転車、に分類して尋ねた。

   データを分析した結果、電車・バスを使う人はマイカー通勤の人に比べて、肥満のリスクが42%、高血圧のリスクが28%、糖尿病のリスクが34%も低かった。さらに驚きだったのは徒歩や自転車の人と比べても、肥満のリスクが24%、高血圧のリスクが16%、糖尿病のリスクが31%低かったのだ。

意外に長い距離を歩く電車・バス通勤者

   この結果について辻さんはこう分析している。

「電車やバスの利用者は、マイカー通勤の人より、肥満、高血圧、糖尿病にかかるリスクが低いことがわかりました。だから、マイカーをやめて電車やバスに乗ることが、体重を減らし血糖値を下げる日常の運動になるのです。また、電車やバスの利用者が徒歩や自転車の人より健康的なのは、自宅から駅・バス停まで、駅・バス停から勤務先までの移動で、実際には徒歩や自転車の人より長い距離を歩いている可能性があります」
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