通勤に電車やバスを使う人は、意外にも徒歩や自転車で通勤する人より糖尿病や高血圧のリスクが低くなるという研究成果が、2015年11月8日の米国心臓協会年次集会で日本人研究者によって発表された。
電車・バス通勤者はマイカー通勤者より肥満リスク42%低い
発表したのは、関西医科大学内科学講師の辻久子医師。辻さんは大阪府守口市の市民保健センター保険総長を務めており、2012年に同市で行った健康診断を受診した就労者5888人の健康データをもとに、通勤方法と健康状態の関連を調べた。対象者には日常の身体活動について、(1)通勤方法(2)職場でどのくらい体を動かすか(3)余暇時間での運動を聞いた。また、通勤方法については、(1)電車またはバス(2)マイカー(自動車またはオートバイ)(3)徒歩または自転車、に分類して尋ねた。
データを分析した結果、電車・バスを使う人はマイカー通勤の人に比べて、肥満のリスクが42%、高血圧のリスクが28%、糖尿病のリスクが34%も低かった。さらに驚きだったのは徒歩や自転車の人と比べても、肥満のリスクが24%、高血圧のリスクが16%、糖尿病のリスクが31%低かったのだ。