てんかんによる交通事故のリスク 高齢者や若者より低い

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   てんかんの持病のある人の交通事故が問題になっているが、2015年10月30日に開かれた日本てんかん学会学術集会で、てんかん患者による交通事故のリスクは、65歳以上の高齢者や20歳代の若い人が起こす交通事故のリスクより低いという研究報告が発表された。

75歳以上の交通事故リスクは?

   発表したのは、静岡てんかん・神経医療センター精神科の西田拓司医長。西田氏が研究の元にしたデータは、2014年度に警察庁が全国のてんかん専門医とその患者に対して行った「てんかんの発作と交通事故」に関するアンケート調査だ。有効回答は医師が381人、患者が408人の計789人で、運転免許を持っている患者の運転時間や発作がない期間、発作の再発状況、運転中の発作による事故の状況や原因、症状の状態などを調べた。

   これらのデータを、EU(欧州連合)がてんかん患者などの運転基準に用いる「発作がある人の交通事故発生リスク」の数式にあてはめて、交通事故を起こすリスクを計算した。その結果、6か月間発作がない人で1.38、同1年間で1.23、同2年で1.16だった。

   一般人の年齢による交通事故リスクは、75歳以上で2.78、65歳以上では1.57、20歳代男性では1.7であることから、てんかんによる交通事故リスクは一般人の年齢によるリスクより低いことになる。

アンケート調査の回答者の数が少ない

   ただ、西田氏は「アンケート調査の回答者の数が少なく、患者の年齢や重症度に偏りがあるなど、今回の研究には限界がある。もっとほかの学会にもアンケートの輪を広げてデータの改善を図りたい」とコメントしている。

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