人気シリーズ「スター・ウォーズ」の新作「フォースの覚醒」の全国公開を控え、「TOHOシネマズ」が同作に限り一般料金を値上げし、ファンからブーイングが相次いでいる。
同社は値上げの理由を「作品的な価値を踏まえて」としているが、値上げ前の1800円すら「高い」と主張する利用者も多く、「値上げを一般化するための布石では」「もう映画館で映画観ない」と強い反発が起きている。
「タイタニック」でも特別料金を設定していた
TOHOシネマズは2015年11月12日、12月18日に全国公開される映画「スター・ウォーズ フォースの覚醒」の一般料金を、東京や大阪など一部映画館で通常より200円高い2000円に設定したと発表した。
対象となっているのは、東京都内の「日劇」「渋谷」「六本木ヒルズ」「日本橋」「新宿」、大阪市にある「梅田」「なんば」、兵庫県西宮市にある「西宮OS」の計8館。ただし前売り券使用時に差額は支払わなくても良く、ファーストデイやレディースデイなどのサービス料金も変更はない。値上げの理由については、「過去の事例を参考に作品的な価値を踏まえて一般料金を特別価格に設定させていただく事になりました」としている。
同作は10年ぶりとなるスター・ウォーズ3部作の第1弾で、以降第3弾目まで2年ごとに公開が続く予定。すでに関連グッズの商戦も始まっており、ファンから熱い注目が集まっている。
そんな最中の値上げ発表だっただけに、ファンはツイッターで、
「値上げを一般化するための布石だ」
「もう映画館で映画観ない」
「同じ値段で上映しろよ...舐めてるだろ」
と批判の声を上げている。
スター・ウォーズ配給会社が「映画館の入場料割引を妨害」
同社はこれまで「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」や「タイタニック」「インデペンデンス・デイ」といった人気作の公開時にも特別価格を設定している。「過去の事例」というのは、これらの作品を指しているのだろう。
「TOHOシネマズ」以外に「フォースの覚醒」の一般料金の値上げを予定している東京都内の映画館はあるのか。「MOVIX」を運営する松竹マルチコンプレックスシアター、「イオンシネマ」を運営するイオンエンターテインメントに取材したところ、「現時点で値上げは考えていない」とのことだった。
スター・ウォーズの劇場観覧料をめぐっては、2003年にも騒動が起こっている。同シリーズを配給する「20世紀フォックス映画」が、「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」(2002年公開)に映画館の独自配布する割引チケットを利用させないよう映画館側へ求めていたとして、公正取引委員会が独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いで同社を立ち入り検査した。