「1129」「2929」で焼肉無料に一転「待った!」 マイナンバー利用の何が問題になったのか?

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   12ケタのマイナンバー(社会保障・税番号制度)に、「1129(いいにく)」「4129(よいにく)」「2929(にくにく)」「7777(ラッキーセブン)」が含まれていたら、おいしい焼き肉を無料で食べられる――。そんなサービスに内閣官房が「待った」をかけた。

   マイナンバーを活用して焼き肉の無料サービスを提供しようと考えたのは、大阪で食肉卸・焼き肉店を営む「萬野屋」。2015年10月29日にサービスの告知をはじめたが、内閣官房の要請を受けて提供を諦めた。

  • 焼き肉無料、マイナンバーの活用に内閣官房は「自粛」要請(画像はイメージ)
    焼き肉無料、マイナンバーの活用に内閣官房は「自粛」要請(画像はイメージ)
  • 焼き肉無料、マイナンバーの活用に内閣官房は「自粛」要請(画像はイメージ)

内閣官房も当初は「問題なし」

   焼き肉店を経営する萬野屋が実施しようとした「ラッキー・ハッピー・マイナンバー!!!」は、マイナンバーを「くじ」のように活用しようとした。

   12ケタのマイナンバーは、○○○○‐△△△△‐◇◇◇◇の「4ケタ」が「3つ」で、ひとりの個人番号となっている。この「○○○○」「△△△△」「◇◇◇◇」のうちのどれかに、「1129」「4129」「2929」「7777」の番号が含まれていれば、当せん者に「極雌(ごくめん)萬野和牛 スペシャルコース」(ひとり7000円相当のコース、4人前)や「極雌萬野和牛 骨付きサーロインステーキ」(約500グラム、6666円相当)などを、無料で提供するサービス。

   また、「○」「△」「◇」3つの4ケタ番号のうち、下2ケタが「29」でも、「上カルビ」を1人前プレゼントする。ただし、利用はひとり1回限りとした。

   該当する番号がマイナンバーに含まれていた当せん者は、来店希望日の3日前までに電話で予約。当日に「マイナンバー」と「身分証明書」を持参して、該当の4ケタ番号の部分(当せん番号)のみ、前後各4ケタの数字の部分は隠して提示するよう求めていた。

   もちろん、マイナンバーカードをコピーするようなことはない。萬野屋は、「提示してもらうだけなので、安心感が一番あると思っていた」と、セキュリティーには問題がないと判断していたようだ。

   マイナンバーは現在、各世帯に番号通知が届けられているが、萬野屋としては「マイナンバー! 確認してください!!」と呼びかけることで、マイナンバーの認知度アップや普及にも一役買えるとも考えていた。

   萬野屋は、「10月下旬、マイナンバーを所管する内閣官房のコールセンターに、こうしたサービスが可能かどうか相談したところ、セキュリティーには十分注意するよう話がありましたが、4ケタの数字を使うことについては、悪意がある利用でなければ問題ない旨が確認できました」と、経緯を説明。ただ、「今にして思うと、はっきりしないようなところがありました」ともいう。

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