都会人は「睡眠不足」じゃなかった 狩猟採集民族の「眠り」に学ぶ

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   多くの人を悩ませている睡眠不足。電気やテレビ、インターネットなどの普及によって、現代人の睡眠時間が、人間本来の「自然レベル」より少なくなっているのが原因とするのがほぼ定説だが、必ずしも都会のあわただしい生活が原因ではないという、常識を覆す研究が2015年10月、米の生物学誌「カレント・バイオロジー」に発表された。

   米カリフォルニア大学のジェームズ・シーゲル博士らのチームが、アフリカ・ナミビアのサン族、同タンザニアのハッツア族、南米ボリビアのチマネ族と、異なる3つの地域に住む伝統的な狩猟採集民族、計94人の生活を追跡調査した。その結果、3つの民族とも現代人と同じ睡眠習慣を持っていることがわかった。

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狩猟採集民族の睡眠時間、日本人より45分短い

   対象者には、睡眠時間や光の強度、気温などが分かる機器を腕に装着、睡眠習慣を調べた。いずれの民族も1日の平均睡眠時間は6.5時間弱で、日没の約3時間後に眠りにつき、日の出前に目覚めて、昼寝をする習慣はなかった。このパターンは都会の現代人とほぼ同じである。

   ちなみに、OECD(経済協力開発機構)が2009年に各国の平均睡眠時間を調査した報告によると、加盟21か国(当時)の平均が7時間38分(日本は7時間17分)だから、彼らは先進諸国の人々より眠る時間が少ない。しかし、彼らには米国人口の20%が悩む慢性的睡眠不足などの症状はまったく見られなかった。シーゲル博士は「狩猟採集民族の睡眠時間が短いという事実は、現代社会では睡眠時間が大きく損なわれているという従来の見解に疑問を投げかける」とコメントしている。

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