大晦日の風物詩とも言える「ジャニーズカウントダウンコンサート」(通称「カウコン」)の司会に人気グループ「嵐」が決定したことが、ネット上で波紋を広げている。
嵐以外のグループを支持するファンから、早くもチケットの争奪戦やジャニーズグループ内にあるとされる「派閥」の影響を懸念する声が寄せられ始めた。
2015年末は「Kis-My-Ft2」は出演しないのか
「カウコン」とは、毎年12月31日から元旦にかけて東京ドームで開かれるジャニーズ事務所の所属グループによる年越しコンサートだ。その模様は1時間だけフジテレビで生中継され、ジャニーズファンにとって大晦日の楽しみともなっている。
そんな「カウコン」の司会を6年ぶりに嵐が務めると発表されたのは、2015年11月9日。嵐ファンから歓喜の声が寄せられた一方、他グループのファンからはさまざまな「懸念」が示された。
その1つがコンサートチケット抽選の高倍率化だ。嵐ファンの多さはジャニーズグループ随一と言われ、「一大勢力」を作り上げている。各グループのファンクラブ会員限定で販売する方法が一般的となり、ただでさえ希少価値が高いジャニーズコンサートのチケット。嵐ファンがチケットの抽選に参加すると当選倍率がさらに跳ね上がるのではないか、との声はネット上に多く、「チケット争奪戦、物凄い事になるだろうなぁ...」といったツイートも見られる。
もう1つが、ジャニーズ内にあるとされ、所属グループの出演イベントや番組を決める「派閥」の影響だ。一部スポーツ紙などの報道によると、SMAPと嵐を代表とする2派に分かれ、他グループは2派にそれぞれ振り分けられているという。ほとんど共演しないグループの組み合わせもあるためか、真偽不明ながら「派閥」の存在はファンの間で根強く信じられてきた。
実際、「SMAP派」に属しているとされるKis-My-Ft2(キスマイフットツー)は14年の「カウコン」に出演せず、並行して開かれた別イベントでSMAPと共演した。嵐に司会が決まり、Kis-My-Ft2は15年も出演しないのではないか、と心配する声もネット上に寄せられている。
「カウコン」をめぐっては、14年にちょっとした「騒動」が起こっている。1998年から続いていたフジテレビの生中継がこの年の年末に一時廃止(編注:2015年末は復活)されたうえ、コンサート内容も近藤真彦さんの出演時間が長い「ソロコンサート状態」だったため、一部ジャニーズファンから強い不満の声が上がっていたのだ。
チケット抽選の基準は「ブラックボックス」
嵐の司会決定により、2015年も何らかの騒動が起こるのではないか、他グループのファンは戦々恐々としているのではないか。そんな疑問を東京都内に住むジャニーズファンの40代女性にぶつけてみたところ、
「嵐が司会をする分には大丈夫ですよ。嵐は間違いなく大きな実績を残しているので、他グループのファンといえど、その点は了解してくれるはずです。嵐が司会をする、というだけでブーイングは起きないんじゃないでしょうか」
と意外な答えが返ってきた。では、チケット抽選の高倍率化についてはどう考えているのか。
「嵐ファンの数は多いので倍率が跳ね上がらないとも限りません。ただ、応募数だけで当選確率が決まるわけではないと思います。ジャニーズ事務所は各ファンクラブからの応募数を把握した上で席の配分を決めているはずです。正直、抽選の基準は『ブラックボックス』でこちらには分かりませんが、その辺は調整しているんじゃないでしょうか。今年はV6が結成20周年のアニバーサリーイヤーを迎えているので、V6ファンを多めに入れるかも知れませんね。あくまでも推測ですが」
と話す。どうやら単純に応募数のみで決めているわけではないらしいが、真相は分からない。
そして取材の最後には、「今年は平和なコンサートになるんじゃないでしょうか」との予測を語ってくれた。