NHK「やらせ」を認定しなかったせい? BPO意見書の「政権批判」で各紙の論調割れる

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読売、自民を「明らかに行き過ぎ」と批判しつつも...

   11月10日には、朝日新聞以外の在京各紙が社説で今回の問題をいっせいに取り上げたが、論調は微妙に分かれた。

   毎日新聞は「NPO意見書 介入への批判は当然だ」というタイトルを掲げ、

「放送法の本旨に照らせば、政府・与党の介入に対する批判は当然だ」
「社会的な影響力が大きく、電波の周波数には限りがあるという放送メディアの特性はあるにしても、政権の関与は抑制的でなければならない」

などとBPOの判断を支持。東京新聞も

「公権力がやらせ疑惑などに乗じて、その権限をちらつかせれば、「表現の自由」に対する威嚇と同義である。BPOの判断に賛同する」

と同様だ。

   一方、政権に近いとされる読売新聞や産経新聞は、政府・与党が行動を起こした原因はNHKやBPOにあるという議論を展開した。

   読売新聞は、自民党については

「法的権限もないのに放送局幹部を呼び出した行為は、明らかに行き過ぎだった」

と批判する一方で、高市総務相については特に論評しなかった。そのうえで、

「NHKの正確性に欠けた報道が、今回の事態を招いた。政治や行政の介入や干渉を排除し、表現の自由を確保するためには、放送事業者が、事実に基づく報道に徹することが求められよう」

と指摘した。産経新聞も、社説にあたる「主張」の中で、

   「政府や与党が番組介入に抑制的であるべきなのは、当然である」

   BPOが政府・与党の対応を批判したことにも一定の理解を示しながら、NHKやBPOの対応のまずさが今回の事態を招いたと主張した。

「やらせを認めないNHKの姿勢や、これを迅速、明確に指摘できないBPOの存在自体が介入を招く一因ともなり得ることを忘れてはなるまい」

   日経新聞も「NHKは放送倫理の徹底を」の見出しで今回の問題を取り上げたが、内容はNHKへの注文のみで、政府・与党の動きには触れなかった。

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