教職員削減で財務省vs文科省が大バトル 子ども減れば先生少なくていいの?

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   財務省が2016年度予算編成に向け、公立小中学校の教職員数の大幅削減と国立大の運営費交付金の削減を打ち出し、文部科学省が強く反発している。

   双方とも、それぞれの審議会を巻き込んだバトルを繰り広げており、予算編成に向け、折衝は難航が必至の情勢だ。

  • 文科省は、公立小中学校の教職員数削減を求める財務省案に強く反論する緊急提言を発表
    文科省は、公立小中学校の教職員数削減を求める財務省案に強く反論する緊急提言を発表
  • 文科省は、公立小中学校の教職員数削減を求める財務省案に強く反論する緊急提言を発表

児童・生徒、9年で94万人減る見込み

   まずパンチを繰り出したのが財務省。2015年10月26日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)財政制度分科会に提案した案は、(1)公立小中学校の約69万4000人の教職員数(自治体が自主的に雇用する教職員は除く)のうち、2024年度までの9年間で約3万7000人を削減、その第1弾として2016年度予算編成で3500人規模の削減を求める、(2)国立大学への運営費交付金を毎年1%ずつ減らす一方、授業料や寄付金などの自己収入を1.6%ずつ増やす――の2点。

   小中学校教職員については、現在969万人の児童・生徒数が2024年度までに94万人減り、38万7000ある学級数も2万1000減ると想定。現行の1学級当たり平均1.8人の教職員の配置割合を維持したとしても、2024年度までに3万7000人の教職員の削減が可能という計算だ。2015年度予算の教職員人件費の国庫負担分は1兆5284億円で、財務省の方針通りに2016年度に3500人削減すると70億~80億円規模の削減が可能という。

   国立大学への交付金は、2013年度が1兆1774億円で、自己収入7370億円との割合は約7対3だった。財務省は、交付金を毎年1%ずつ減らす一方、自己収入を同じく1.6%ずつ増やし、16年後の2031年度には交付金が9826億円、自己収入は9807億円と、ほぼ半々にすることは可能でで、そのために大学側に構造改革を促すとしている。

   財政審の分科会は、大筋でこうした財務省の方針を了承した。

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