頭痛は「痛くなる前に予防」せよ 薬いらずの「超意外」な方法も

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【ためしてガッテン】(NHK)2015年10月14日放送
「あ!薬を飲むその前に 頭痛を元から断つSP」

   国民の4人に1人が悩む頭痛。頭痛に襲われると、ほとんどの人が痛み止めの薬を飲む。しかし最近は、「痛くなる前に飲む」という予防の考え方が注目を集めている。日頃から頭痛を寄せ付けない体質にする簡単体操も紹介する。

   番組の冒頭、ひどい片頭痛に悩む女性たちが紹介された。Yさん21歳。中学生の時から保健室が居場所に。Sさん54歳。締め付けられる痛みに「生きていたくない」と思い、月の半分は寝込む。2人ともどんな薬も効かない。

  • 日本頭痛学会によると、片頭痛の人は人口の5~10%、緊張型頭痛の人は20%で、日本人の4人に1人が慢性的な頭痛に悩んでいる
    日本頭痛学会によると、片頭痛の人は人口の5~10%、緊張型頭痛の人は20%で、日本人の4人に1人が慢性的な頭痛に悩んでいる
  • 日本頭痛学会によると、片頭痛の人は人口の5~10%、緊張型頭痛の人は20%で、日本人の4人に1人が慢性的な頭痛に悩んでいる

帽子をかぶったり、お化粧したりするだけで痛くなる

ゲストの島崎和歌子「どんどんひどくなるのですね、かわいそうに」
MCの立川志の輔「効かない、治らない、ひどくなる、というのが片頭痛の特徴です」
ゲストのビビル大木「なぜ薬が効かなくなるのですか?」

   MCの小野文恵が片頭痛のメカニズムを解説する。

「偏頭痛は、脳内の血管が何らかの原因で膨らみ、それによって血管を取り巻いている神経が刺激されて痛みが出ます。脳の中に視床という部分があります。視床がいったん刺激を自分で受け止めて、その痛みを脳に伝達すると、初めて私たちは痛みを感じます」

   そもそも頭痛薬の働きは、この視床が刺激を受けないよう、途中でブロックするもの。刺激がブロックされているうちに血管の膨張が元に戻って刺激(痛み)が引く仕組みだ。しかし、何度も痛みに襲われていると薬が効かなくなる。それは、視床がダメージを受け、薬がブロックしてもほんの小さな刺激で過剰に反応するようになり、「痛い、痛い」と判断して脳に伝えてしまうからだ。

小野「視床がボロボロになると、超意外なことから痛みが現れます」

   帽子をかぶっただけで頭痛が起こる。髪の毛を揺らすと首筋がヒリヒリする。化粧を始めると顔がジンジン痛む。風に吹かれただけで、肌がピリピリする。

レギュラーの山瀬まみ「何ということでしょう! 髪の毛をほどく時って、女性がいちばん解放感にひたれる、気持ちのいい時間なのに」
小野「アロディニアという症状です。視床がおかしくなって、普通は感じない刺激を痛みと受け取ってしまう。こうなると、薬を飲んでもダメです」
立川「視床を修復しない限り、いつまでも痛みが続くわけですね。でも、大丈夫。痛くなる前に、痛みを予防する薬を飲むのです。痛かろうが痛くなかろうが毎日飲む薬が今、開発されています」

予防薬は医師の処方が必要、重い人は病院へ

   この薬について、埼玉医科大学神経内科の荒木信夫教授が解説した。

「片頭痛の予防薬が今、4つできています。頭痛のメカニズムが分かってきたので大本から断つという考え方です。2か月間毎日飲むと、頻発する頭痛はたいてい抑えられます。ただし、痛みが出てから飲む市販薬と違って、予防薬は医師の処方が必要です。条件が3つあります。(1)かなり強い痛みが月2回以上ある人(2)日常生活に支障のある人(3)アロディニアのある人、です。症状の重い人はぜひ頭痛専門外来や神経内科、脳外科を受診してほしいですね」
立川「でも、毎日薬を飲むのは抵抗があるという人もいるでしょう。そんな人にオススメの予防法のエクササイズがあります。片頭痛だけでなく、緊張型頭痛の人にも効きますよ」

   ここで、埼玉精神神経センターの坂井文彦医師が登場し、自宅でもオフィスでもできる簡単な2つの「頭痛体操」を実演した。1つ目はこうだ。

(1)立ち上がって腕を前に出す。足は肩幅に開く。顔は正面を向いたまま。
(2)その姿勢で体を右へ左へとグルングルンと何回かひねる。目安は2分。

   続いて2つ目も簡単。

(1)腕を、リュックを背負うように前に回す。
(2)腕を、服を脱ぐように後ろに回す。これも目安は2分。ただし両方とも頭痛がある時はやってはいけないという。

ビビル大木「こんな方法でどうして効果があるのですか?」
坂井医師「コレ、日本頭痛学会で推奨している方法ですよ。仕組みはよくわかっていませんが、首周りから肩甲骨の神経が刺激されて、ボロボロになった視床に良い影響を与えます」

いつ痛みが出るかを記録する「頭痛日記」がすごい

   最近は東洋医学のハリ治療も効果があることがわかってきた。週に2回ほどハリを打つと1か月ほどで効果が現れる。

   番組の最後に登場したのは超意外な方法だ。毎日「頭痛日記」をつけて、どんな時に痛みが出るか、記録するだけなのだ。27歳の女性Sさん。痛みがひどい時は食べられない、飲みこめないほどの重症だが、1年間日記をつけ、あるパターンに気づいた。「土日のホッとした時に痛むのです」。休日を家でのんびりしないで、外出したり、大掃除したりすると頭痛は収まった。

荒木教授「人それぞれ痛みの誘因があります。暑い時にでる人、人混みに行くとでる人。お出かけで気をつけたいのは光です。まぶしいと痛くなる人が結構います。中にはチョコレートやチーズを食べたり、ワインを飲んだりするとでる人もいます。理由がわかれば、それを避ければいいのです」
山瀬「私、飲みすぎると頭が痛くなります」
荒木教授「ハハハハ。それも避けるといいですね」

(参考)日本頭痛学会のウェブサイトでは、「頭痛体操」の方法を図解で紹介している。また、「頭痛日記」をつけておくと医療機関で受診する時にも役にたつ。「頭痛日記(ダイアリー)」もウェブサイトからダウンロードできる。

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