福岡マルタイ、アジアの「棒ラーメン」人気に救われる 2年連続赤字で心配していたファンも箱買い支援

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   棒ラーメンで知られるマルタイ(福岡市)が2015年10月末、2015年9月中間決算の予想を上方修正した。純利益は当初予想の1000万円から8倍以上の8500万円となる見込み。売上高も当初予想の36億円から37億2000万円に、営業利益も1000万円から8900万円にそれぞれ上方修正した。

   同社は2015年3月期まで2期連続で純損益が赤字だったため、マルタイの行く末を心配していた棒ラーメンファンがネット上で喜びの声を上げている。

  • 「棒ラーメン」人気により、売上高、利益ともに上方修正したマルタイ(画像はマルタイ公式ホームページから)
    「棒ラーメン」人気により、売上高、利益ともに上方修正したマルタイ(画像はマルタイ公式ホームページから)
  • 「棒ラーメン」人気により、売上高、利益ともに上方修正したマルタイ(画像はマルタイ公式ホームページから)

九州は棒状ラーメンの激戦区

   修正の理由は「棒ラーメンが海外での日本食ブームや円安による追い風を受け、東南アジアへの輸出が堅調に推移するとともに、製品値上げの浸透、原価の低減等により、売上、利益ともに計画を上回って推移したから」だ。ただ、通期業績については「カップ麺が厳しい価格競争、新製品の発売延期等により計画を下回る見込み」として修正を見送った。

   九州では定番の即席ラーメンとして知られる棒状ラーメン。五木食品(熊本市)の「アベックラーメン」、ヒガシマル(鹿児島県)の「鹿児島ラーメン亭」、サンポー食品(佐賀県)の「久留米とんこつラーメン」など、複数のメーカーが棒状ラーメンを売り出している。

   そんな中でもマルタイはロングセラー商品の棒ラーメンを1959年から販売している老舗中の老舗だ。その老舗がここ数年、赤字続きで世間の関心を集めていた。

   円安による原材料費の高騰や同業他社との競争激化に加え、2013年1月に稼働した福岡工場の建設に伴う減価償却費の負担ものしかかり、純損益は2014年3月期に5億7900万円、2015年3月期も2億2800万円と2期連続の赤字を計上した。これを心配した棒ラーメンファンがネット上で「買って応援しよう」「箱買いしよう」などと呼びかけ、一時は通信販売が伸びたほどだった。しかし、そんな応援も業績の回復には力不足だった。

ネット上では「海外にも通じる味」

   そんなマルタイの救世主となったのが、香港や台湾、中国を中心とする海外でのとんこつラーメン人気。熊本の「味千ラーメン」などが海外で成功したことでとんこつラーメンが定着し、マルタイの棒ラーメンも受け入れられた。円安効果で現地でも購入しやすくなったうえ、食の安全への関心が高まるなか、日本で生産した製品への信頼感も消費者を引き付けた。

   これを受け、ネット上では「赤字脱してよかった」「海外でも通用する味」「これからもがんばれ」などとマルタイファンの熱いコメントが並ぶ。

   輸出が急増したマルタイは棒ラーメンを生産する佐賀工場の従業員を約40人から約60人へと増やし、設備も増強して生産能力を引き上げて対応している。勢いに乗って今後もベトナムやタイ、マレーシア、インドネシアなどへと販路を拡大していく考えだ。

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