「民泊仲介サイト」日本からの紹介物件は前年比3倍
こうした背景には、現地で行ったキャンペーンによる日本訪問への意欲の掘り起こしがあったとみられる。特に米国では8月にサンフランシスコで行われた「J-POP サミット」や、9月の国連総会開催期間中にニューヨークで観光セミナーを開き、安倍晋三首相、元ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜さんやNHKの朝の連続テレビ小説「マッサン」で有名になったシャーロット・ケイト・フォックスさんが日本の魅力をアピールしたことが大きかったようだ。
10~11月は日本では紅葉シーズンで、さらに増加が見込めそうだ。
外国人観光客の大幅増で注目されているのが「民泊」だが、トラブルも相次いでいる。11月5日には京都市の住宅街にあるマンションの部屋をめぐり、東京都内の旅行会社顧問ら2人が摘発されている。旅行者から金銭を受け取って繰り返し宿泊させるためには本来は旅館業の営業許可が必要だが、許可を得ていないと言うのがその理由だ。このマンションでは44室中33室が中国人団体客向けに貸し出されており、住民からは(1)旅行会社の担当者が勝手にオートロックを空けて宿泊客を出入りさせる(2)夜中にキャリーケースの騒音がする、といった苦情が出ていた。警察は運営業者らを近く旅館業法違反(無許可営業)容疑で書類送検する方針だ。こういった事例は氷山の一角だとみられる。
こういった「民泊急増」は米国発の仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」の存在の存在も大きく、日本からの紹介物件は14年比で約3倍の約1万8000件にのぼる。Airbnbの運営会社は、部屋を貸す人に対して法律を守るように求めているが、実際は「現場任せ」で、必ずしも守られていないケースも多いようだ。