国立がん研究センターは2015年11月4日、18歳未満の子どもをもつ子育て真っ最中世代のがん患者が、年間約5万6000人発生しているとする初の推計結果を発表した。これは国内のがん患者の約7%に相当する。
2009年から2013年までに同センター中央病院に初めて入院したがん患者のデータをもとに、全国のがん登録のデータなどから推計した。患者の平均年齢は男性46.6歳、女性43.7歳。子どもの総数は約8万7000人に上り、小学生以下の0~12歳が63%を占めた。男性では胃がん(15.6%)、肺がん(13.2%)、女性では乳がん(40.1%)、子宮がん(10.4%)の順に多かった。
日本人が生涯でがんにかかる率は男性で56%、女性で43%だが、晩婚化で子育て世代の年齢が上昇しているのに、がん発症の調査は行われていなかった。 がんの宣告・治療は、患者である親だけでなく、子どもにも大きな影響を与える。同センターでは「親子を多方面から十分にサポートをしていく体制が不可欠」としている。