「首都圏でコンサートができない」ホール不足が深刻化 「2016年問題」「東京五輪改修」で芸能人が悲鳴

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「公立劇場、民間並みに規制緩和を」

   「サカナクション」の山口さんは会見で、「関東の会場が不足すると、地方にコンサートに行けなくなる懸念もある」

などと語った。首都圏でのコンサートで利益を上げなければ移動など費用の掛かる地方での公演は難しくなるという。また、大きな会場でコンサートが出来ないということは、例えば1万人を集めようとした場合には5000人収容のホールを2回使う事になる。すると玉突きのような現象が起こり、始めから少人数を集めるコンサートはできなくなってしまう事も起こりかねない。それは山口さんのようなバンドに限った事ではなく、日本のホールは多目的ホールが多いため、バレエや演劇など他のジャンルにも影響を与えてしまう、というのだ。

   それではこの窮地をどう抜ければいいのか。芸団協はこう打ち明けた。

「短期的には公立の文化施設利用の規制を緩和し、プロにも使いやすくしてほしい」

   公立施設の貸し出しルールはプロに対してもアマチュアにも対しても均等だ。使用の1年前に抽選で使用できる団体を決めたり、開演後は午後10時に完全撤収を求めたりしている。しかし、大きな演劇ならば準備に2、3年かかる。コンサート等は21時過ぎまで続くことはざらで、22時の完全撤収は不可能のため、民間並みに規制が和らげられないか、と要望している。

   自治体はこれをどう受け止めるのか。東京都の文化振興部に話を聞いてみたところ、都が管理する「東京芸術劇場」や「東京文化会館」は民間並みに貸し出しの規制を緩めていると語った。ただし、区市町村のものは独自の規制があり、プロが使うのは難しいのかもしれないとしたうえで、

「いずれにしても2016年問題などがあるのは事実であり、実態を調査し我々で何ができるか検討して行きたいと考えています」

と話していた。

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