自動車メーカーの間で、タカタ製部品を使ったエアバッグの使用を中止する動きが広がっている。ホンダに続き、富士重工業とマツダが、開発中の新車などに使用しない方向で検討している。
富士重工の吉永泰之社長は2015年11月5日の決算会見で、「今後、販売する新型車ではタカタのインフレーター(ガス発生装置)を使用しない方向で検討している」と述べた。また、「納入に時間がかかっている」とし、交換用としても使用を差し控える。
マツダの丸本明副社長も、「開発車については硝酸アンモニウムを使ったインフレーターは採用しない方向」と話し、タカタ製エアバッグを使用しない考えを示した。
タカタは、エアバッグを膨らませるためのガス発生剤として高温多湿に弱い硝酸アンモニウムを使用。米当局はこの硝酸アンモニウムが米国内で死亡事故につながったエアバッグの異常破裂を引き起こした要因とみて、米国での硝酸アンモニウムを使用した製品の納入中止をタカタに強く要請。タカタはこれを受け入れ、最大2億ドルの制裁金支払いなどにも合意した。