熊本県警は2015年11月4日、福岡市と熊本市に美容整形の診療所を無許可で開き、医師免許を持たずに採血したとして、エステ店経営上田恭子容疑者(46)=熊本市中央区=を医療法違反(無許可開設)と医師法違反(無資格医業)の容疑で逮捕した。また、名義を貸していた両市の男性医師2人(80代と60代)も同法違反容疑で書類送検する方針だ。
発表によると、上田容疑者は保健所長の許可を受けずに、2013年7月に福岡市中央区天神2丁目に「福岡天神クリニック」を、2014年5月に熊本市中央区上通町に「上通クリニック」を開設。上通クリニックで2015年1月から6月までの間、医師免許がないのに看護師らに男性8人の発毛治療に必要な採血をさせた疑いがある。上田容疑者は事実関係を認めているが、「悪いこととは思わなかった」と供述しているという。
医療法では、医師免許がない者が診療所を開設する時、医師が管理者の場合だと首長への届け出だけで可能。上田容疑者に名義を貸した医師2人は、すでに自分の医院を閉じており、月1回程度の出勤で報酬を得ていた。熊本県消費生活センターに男性患者4人から「医師でない人から採血された」と通報があり、発覚した。