「ダイエットには野菜がいいからたくさん食べているのに、どうして太っちゃうの」。こんな悩みをお持ちのアナタ、食べ方を間違っていませんか。
野菜はちゃんと種類を選んで食べないと逆効果であることを、米ハーバード大公衆衛生大学院のモニカ・ベルトイア助教らの研究チームが明らかにし、2015年10月の米医学誌「プロス・メディシン」に発表した。
果物はほとんど何を食べてもやせる
ベルトイア助教らは、計13万3468人の男女の健康データの中から、特定の野菜・果物の摂取量と体重の変化の関連を調べた。その結果、でんぷん質の少ない野菜を食べる量が多い人は体重が減り、逆にでんぷん質の多い野菜を食べる量が多い人は体重が増えることがわかった。また、果物はほとんど何を食べてもやせることはあっても、太ることはなかった。
果物を食べる回数が1日1回増えるごとに、4年間で体重が平均で0.24キロ減った。特に、リンゴ、洋ナシ(0.56キロ減)やベリー類(0.50キロ)の減り方が大きかった。一方、野菜も食べる回数が1日1食増えるごとに4年間で体重が平均で0.11キロ減った。しかし、種類によって差があり、大豆(1.12キロ減)やカリフラワー(0.62キロ減)などは減り方が大きかったが、トウモロコシや豆類・イモ類は逆に体重が増加したという。
脂肪になりやすさの目安「GI値」で野菜を選ぼう
体重が増えた野菜は、血糖値の上昇の程度を表す「グリセミック指数(GI値)」が高いものが多く、体重を減らす効果のあった野菜や果物はGI値の低いものが多かった。ベルトイア助教は「GI値が高い野菜をさけて、GI値の低い野菜をたくさん食べるように心がければ、野菜を食べているのに太る悲劇はなくせます」と語っている。
GI値は最近、ダイエットだけでなく、糖尿病対策でも注目されている。その食品が体内で吸収された後に、糖に変わり、血糖値が上昇するスピードを測ったものだ。ブドウ糖を摂取した時の血糖値上昇率を100として、相対的に表される。数値が高いほど脂肪に変わる糖質が多く、太りやすい食品ということになる。健康を考えるなら60以下がいいとされる。
米ハーバード大の研究で、食べて太ったトウモロコシは69、イモ類ではジャガイモ89、ヤマイモ74と高い数値だ。また食べて減量した大豆は30、カリフラワー26、リンゴ34、ブルーベリー33と、数値は低かった。ちなみに果物は高いクラスでパイナップル65、スイカ60で、ほとんどが60以下だ。一見、甘くて糖分が多そうだが、脂肪に変わる率は低い。チョコレート90、ドーナッツ86、ショートケーキ82などという数値を考えると、果物ははるかにヘルシーなので、デザートにはぜひオススメだ。
●もっと知りたい人へ
食品のGI値の一覧表は、多くの健康・ダイエットサイトに載っているが、以下のサイトでは医学・栄養学的な解説とともに紹介されている。
糖尿病患者や医療者でつくっている「糖尿病ネットワーク」
栄養士の団体「日本栄養士会」