ポジティブな人ほど長生きできないってホント?

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   「この間、新聞でのう~、『ポジティブな人は早く死ぬ?』っちゅう記事を読んだんやけど、ホンマかいの? ワシ、若い頃から豪気モンでのう~、コンマイ(細かい)ことにクヨクヨせんのが取り柄なんや。ワシのようなポジチブな男が長生きするはずやないの?」「お爺ちゃん、そんな記事を気にしてちっともポジティブやあらへん。せやから大丈夫、長生きしはるわ~」。

   従来は、「明るく前向きで楽天的な人ほど長生きする」といわれてきたが、そんな医学界の「常識」を覆す研究成果が出ているのは確かだ。2011年に発表された「ターマン&フリードマン研究」である。「『真面目』な人ほど長生きをして、『陽気で明るい』人ほど短命である」ということを立証した。この研究のすごいところは、延べ80年間という長期間にわたって対象の人々の人生を追跡し、「性格と寿命の関係」を調べた点だ。

  • パワフルおじいちゃん、スーパーおばあちゃん、凄すぎ(イラスト:サカタルージ)
    パワフルおじいちゃん、スーパーおばあちゃん、凄すぎ(イラスト:サカタルージ)
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「まあ大丈夫だろう」と甘く考えて早死にする楽天家

   調査が始まったのは1921年。米スタンフォード大のルイス・ターマン教授は、当時10歳前後の子供約1500人を対象に性格を分析、その後の人生を5~10年おきにインタビューする形で追跡調査した。子供たちがどの程度の割合で「陽気で楽天的」「真面目」「人気者」「神経質」「ルールを守る」などを持っているかを診断し性格分類の目安にした。しかし、途中でターマン教授が死去。約30年のブランクの後、カリフォルニア大学のハワード・フリードマン教授が研究を引き継ぎ、2011年に『ロングエビティ・プロジェクト(長寿計画)』という医学ノンフィクションにまとめた。

   その結果わかったのは、「conscientious」指数の高い人ほど一番長生きをしたことだ。「conscientious」とは日本語で「良心的」「誠実」「慎重」「根気強い」などをいい、いわゆる「真面目」という意味だ。逆に、「conscientious」指数の低い、「真面目さに欠ける」人々ほど早死にした。10歳時の性格診断では「陽気で楽天的」「社交的で人気者」だった人々だ。この結果について、日本の専門家はサイトの中で、「真面目で神経質な人は、一生懸命になりすぎてストレスをため込みやすく、心臓病などを誘発して長生きできないといわれてきたので、驚きです」と語っている。

   フリードマン教授はこう説明している。「『明るく楽観主義』の人は、『まあ大丈夫だろう』という慎重さに欠ける判断を人生のあらゆる場面でしていました。その積み重ねが不健康な生活習慣になったり、交通事故を起こしたりしました。また、『社交的な人気者』は、人付き合いのためのアルコールやタバコを過剰にとり、早死につがった人が多かった。一方、『真面目』な人は、成人後も堅実な生活を送ったので生活習慣病にかかる人が少なく、人生の様々な辛い局面でも粘り強く乗り越えています」。

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