早稲田大学が2015年11月2日、元理化学研究所研究員の小保方晴子氏(32)の博士号取り消しを決定したことに対して、小保方氏は同日、代理人の三木秀夫弁護士を通じて「当初から不合格を前提とした手続きであり、とても不公正なもの」とするコメントを発表した。
早大の判断について、小保方氏は「決定に失望した」とし、「指導過程、審査過程の正当性・公平性について大きな疑問がある」と主張した。発表コメントによると、早大から定められた猶予期間内に修正論文を提出したが、指導教員と1回しかやり取りしないまま、不合格と判定されたとしている。
また、修正論文の提出前には担当教官から「今回は合格する可能性はとても低い」と伝えられ、審査教官からも「博士として認めることのできないのは一連の業界の反応を見ても自明なのではないか」と言われたと説明。その上で、「学術的な理由とはかけ離れ、社会風潮を重視した結論を出されたことは明らか」と反論している。
小保方氏は、再提出した博士論文や関連データは、年度内をめどに随時公開する予定という。
小保方氏は2011年に早大で博士号を取得。2014年2月に「STAP細胞」論文の不正疑惑が浮上すると、博士論文についても文章の盗用などの指摘が相次いだ。早大は同年10月に博士号を取り消したが、約1年の猶予期間を設け、小保方氏が論文を適切に訂正すれば「学位を維持する」としていた。