連日のハードワークで、夜遅くに帰宅すると化粧を落とさないまま「もう寝る」とベッドに直行。働く女性の皆さん、そんな経験ありませんか。
ところが、1日でもメーク落としをサボると肌に大きなダメージを与える。横着したら、後からひどく後悔しそうだ。
1日サボると「30日洗顔していないのと同じ」
世界的スーパースター、レディー・ガガにはこんな「逸話」がある。ステージでは奇抜な衣装とメークで大観衆をわかせるガガ様、寝る時まで「厚塗りメーク」のままで、友人たちから笑われるのだという。そんな時、彼女はこう言い放ったとか。
「夢の中で出会う男達のために、準備しとかなきゃね」
大物アーチストのうわさ話はともかく、日本でもメークしたまま眠るアラサー、アラフォー女子が少なくないようだ。ツイッターを見ると、「メーク落とさなきゃ...の前に眠いから寝る」「ここ最近ほぼ毎日化粧したまま寝落ちている」「さすがにメーク落とさず寝るなんて女捨ててるだろ」といったつぶやきがちらほら並んでいた。
ポーラ・オルビスグループの敏感肌専門ブランド「decencia(ディセンシア)」は2015年5月13日、仕事を持つ30~40代の女性100人を対象に実施した日々のメーク落としに関する意識調査の結果を発表した。このうち81%が、メーク落としを面倒だと感じていると回答。その人たちの中で「1年に1回以上メークを落とさず寝てしまう」と答えた割合は、68%に達した。「週に1回程度」が13%、「週3回程度」というツワモノも11%と、10人に1人に上った。
サボりの代償は大きい。1日、メークを落とさずに寝ると、「30日洗顔していないのと同じ」になるそうだ。
メークが酸化、シミやしわ、たるみの原因に
理由はいくつかある。まず日中紫外線や空気に触れたメークが酸化し、活性酸素が発生して肌の老化をもたらす。活性酸素はシミやくすみ、シワ、たるみの原因ともなるのだ。また体から出る1日分の汗や皮脂がそのまま肌表面にたまって菌の温床となり、毛穴詰まりや吹き出物につながる。さらにメークが皮膚呼吸を妨げるため、肌の「生まれ変わり」が邪魔される。肌細胞が育たなくなって肌のバリア機能が失われ、敏感肌が悪化するというのだ。
福岡、熊本両県にドラッグストアと調剤薬局を展開する新生堂薬局(福岡市)のウェブサイトにも、メークしたまま寝ることの弊害が書かれていた。英国の女性ジャーナリストが化粧を落とさず寝て、翌朝からメーク落としを使わず洗顔したあとすぐまた化粧する生活を1か月続けたという事例を挙げている。
最初の2週間は変化がなかったが、3週目から目の周りや肌全体に「ブツブツ」ができて肌もカサカサ、その10日後には毛穴がつまり、目は腫れ、肌や唇は乾燥でひび割れたという。そして開始から1か月後、極度の乾燥からしわができたうえ、肌の赤身が拡大したそうだ。
メークしたまま寝てしまった翌朝は、念入りなクレンジング、肌の乾燥を防ぐために通常よりたっぷりローションを使って保湿、じっくり入浴したうえ温めたタオルを顔に乗せて、毛穴を開いて汚れを落としやすくするといった対策が重要となる。