メークが酸化、シミやしわ、たるみの原因に
理由はいくつかある。まず日中紫外線や空気に触れたメークが酸化し、活性酸素が発生して肌の老化をもたらす。活性酸素はシミやくすみ、シワ、たるみの原因ともなるのだ。また体から出る1日分の汗や皮脂がそのまま肌表面にたまって菌の温床となり、毛穴詰まりや吹き出物につながる。さらにメークが皮膚呼吸を妨げるため、肌の「生まれ変わり」が邪魔される。肌細胞が育たなくなって肌のバリア機能が失われ、敏感肌が悪化するというのだ。
福岡、熊本両県にドラッグストアと調剤薬局を展開する新生堂薬局(福岡市)のウェブサイトにも、メークしたまま寝ることの弊害が書かれていた。英国の女性ジャーナリストが化粧を落とさず寝て、翌朝からメーク落としを使わず洗顔したあとすぐまた化粧する生活を1か月続けたという事例を挙げている。
最初の2週間は変化がなかったが、3週目から目の周りや肌全体に「ブツブツ」ができて肌もカサカサ、その10日後には毛穴がつまり、目は腫れ、肌や唇は乾燥でひび割れたという。そして開始から1か月後、極度の乾燥からしわができたうえ、肌の赤身が拡大したそうだ。
メークしたまま寝てしまった翌朝は、念入りなクレンジング、肌の乾燥を防ぐために通常よりたっぷりローションを使って保湿、じっくり入浴したうえ温めたタオルを顔に乗せて、毛穴を開いて汚れを落としやすくするといった対策が重要となる。