半年間で中性脂肪の数値が大幅改善、喫煙者は26%減に
6か月後の健康診断の結果、メッセージを受け取ったグループは、受け取らなかったグループに比べて、特に以下の分野で大幅に健康状態が改善していた。
(1)善玉コレステロール(HDL)の数値が39→43に上昇(受け取らないグループは43→44とほぼ変わらず)
(2)中性脂肪(TG)の数値が177→140に激減(同168→160に微減)
(3)肥満指数(BMI)の数値が29.8→29.0に微減(同29.6→30.3に微増)
(4)身体活動量(Mets)の数値が4.7→15.6にと、なんと3倍増(同7.9→10.7に20%増)
(5)喫煙者数が184人→88人にと、なんと26%減(同193人→152人に12%減)
専門家の間では、もともと心血管症を患い、普通の人より生活改善の意識が高い人々だから、携帯のメルマガのような一方的なコミュニケーションでもこれほど劇的に改善できたのだという指摘がある。
この論文について、北里研究所病院糖尿病センターの山田悟センター長は医療専門紙「メディカルトリビューン」のウェブサイトでこうコメントしている(要約)。
「これほど良い結果が一般社会でも得られるという過剰な期待はできないが、少なくても健康改善の動機づけができた人々には、一方向のコミュニケーションでも有効であることを示した論文である。多忙すぎて医療機関を受診すらできない日本人中高年者を救うには、こうした健康アプリや健康メルマガが有効かもしれない。その有効性を検証する臨床試験を実施するべきだと思う」