日本銀行は、「前年比2%上昇」の物価目標を達成する時期の見通しを「2016年度前半ごろ」から、「16年度後半ごろ」に先送りすることを明らかにした。日本経済の2017年度までの見通しを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を2015年10月30日に公表した中で示した。先送りは2015年4月に続いて2度目。
日銀は「2年で物価2%上昇」を掲げて2013年春に大規模な金融緩和を開始したが、原油安の影響で想定より物価が低迷している。相次ぐ先送りで、日銀は目標達成の正念場を迎えている。
日銀は同時に、消費者物価(生鮮食品を除く)の上昇率の見通しを2015年度0.1%、16年度1.4%とし、7月時点の見通しである0.7%、1.9%からそれぞれ下方修正した。実質国内総生産(GDP)の成長率見通しについても、15、16両年度ともに引き下げた。
同日開かれた金融政策決定会合では追加の金融緩和は見送った。