「経済最優先」を掲げ、2015年10月7日に発足した第3次安倍改造内閣。景気回復と財政再建を同時に立て直すことを狙いにはじまったアベノミクスが正念場を迎えている。
では、これまでのアベノミクスの成果をネットユーザーたちはどう受け止めているのだろうか。
「アベノミクス」全体としては厳しい評価が大半に
J-CASTニュースが8月10日から10月14日にかけて実施したアンケート調査(全1849票)では、ここまでのアベノミクスを評価する選択肢と効果を疑問視したり、失敗と断じたりする選択肢に票が割れた。
「アベノミクスをどう見るか」について質問したところ、27.6%と最も多くの人が「円安・株高の進展で大手企業などの業績が上がり、景気も上向き、税収も上がっている。アベノミクスの効果は大きい」との選択肢を選んだ。
しかし、一定の効果は認めつつも、多くが生活レベルで景気回復を実感するには未だ至っていないようだ。アンケートでは「給与は増えないし、生活がよくなった実感がわかない」という選択肢の回答率が2番目に高く、24.8%の人が選んでいた。
また「はっきり言って、失敗」(20.9%)、「当初はよかったが、2%のインフレ目標の達成もむずかしく『第3の矢』(成長戦略)もかけ声倒れになりそう。効果はあまりない」(17.7%)の選択肢もそれぞれ2割近く選ばれており、全体としては厳しい評価が大半となった。
消費税「10%超必要」は計3分の1超す
安倍首相は2017年4月の消費増税を予定通り行う考えを示している。国際通貨基金(IMF)などは、世界一の「借金大国」である日本が借金を減らすには増税後の10%でも「足りない」と指摘しているが、一方でアベノミクスを成功させるには消費増税は先送りすべき、という意見もある。
ネットユーザーは今の日本にとって妥当な消費税率は何%だと考えているのだろうか。
J-CASTニュースが同時期に行ったアンケート調査(全1837票)では、「『5%』に引き下げて、景気向上を優先すべき」という選択肢の回答率が最も高く、全体の37.5%の人が選んだ。10%への引き上げ以前に、2014年4月に導入された8%すら重税感を感じているようで、実際、「現状維持(8%)でいい」の回答率は9.1%と6個の選択肢中(その他を除く)で最も低かった。
半面、消費税の引き上げは予定されているよりも必要だと考えている人も多い。「『10%』に引き上げれば問題はない」の回答率は13.6%にすぎなかった。
10%を超える税率の選択肢を選んだ人もそれぞれ1割以上の回答率となっており、「『15%』ならば、なんとか景気が保てるのではないか」が11.2%、「財政再建のためには、最低『20%』は必要」が13.7%、「社会保障などにお金がかかることを考えると『25%』は必要」も11.0%あり、これら三つを合わせると35.9%に達し、「5%」を回答した割合に迫った。