動き出した「1億総活躍社会」に役所は予算分捕り合戦 テーマ重なる政策会議の乱立で「司令塔」の奪い合い

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これまでの政策の焼き直しで終わるのか

   関連する各省の審議会や政策会議がすでに乱立気味で、これを加藤担当相がどうまとめていくかも大きな課題だ。男女共同参画会議、少子化社会対策会議は加藤氏の担当だが、甘利明経済財政担当相が所管する経済財政諮問会議、産業競争力会議、社会保障制度改革推進本部、河野太郎行革相の規制改革会議、馳文科相の教育再生実行会議、石破地方創生相の「まち・ひと・しごと創生会議」などがある。

   国民会議メンバーの人選も、民間議員15人のうち、榊原定征経団連会長と高橋進日本総合研究所理事長が経財諮問会議、三村明夫日本商工会議所会頭が競争力会議、増田寛也元総務相が「まち・ひと・しごと会議」との兼務で、政府税制調査会と財政制度審議会の委員を務める土居丈朗慶大経済学部教授、労働政策審議会委員の樋口美雄慶大商学部教授という「常連」も名を連ねる。現在は兼任のない8人の多くも省庁の審議会などに関わった経験があり、全体として「どの審議会でもお目にかかるメンバー」(霞が関関係者)という印象は否めないところ。

   この人選を、「議論が従来の政策の焼き直しにとどまる懸念はぬぐえない」(毎日新聞24日朝刊)ととるか、「既存の会議との連携を重視することを鮮明にした」(日経新聞24日朝刊)ととるかは、見方が分かれるところで、「司令塔機能をしっかり発揮し、各省の政策を横串で見て、うまく組み合わせていきたい」(23日のTV番組)と述べる加藤担当相の腕の見せ所になる。

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