そして朝、まだ酔っている人たちと片付ける人たち
音楽を流しているのは、小さな踏み台に乗って踊る、派手な衣装の男性だ。なにかの仮装だろうか?
よく見ると――大阪市長選などへの出馬で知られる、あのマック赤坂さんだった。若者たちにスマホのレンズを向けられながら、マックさんは無言のまま、ゆらゆらと海に漂うように踊り続ける。不思議なムードの中、ハロウィン前日の夜は更けていった。
翌朝6時過ぎ。記者は再び、渋谷駅周辺を歩いた。大量のゴミが散らばる路上には、まだまだコスプレ姿の人たちがうろうろしている。一晩中騒ぎ続けていたのだろうか。街の様子を撮影しているといきなり、2人組の男性(おそらく日本人)から、「ドント・テイク・ア・ピクチャー! ここはシブヤだ!」「ユーはポリスか? ポリスならキル(殺す)するぞ」となぜかカタコトの日本語で凄まれた。
こちらも「ソーリー、ソーリー」と繰り返していたら解放されたが、のちほど交番を覗くと、彼らとは別の若者たちが、グループ同士でケンカを起こしたらしく、警察から事情を聞かれていた。すぐ近くでは、路上に座り込んで眠る男性を、やはり警官が半ばひっぱたくようにして起こしている。
駅へと引き返す途中、ゴミ拾いのボランティアに集まった一団とすれ違った。二日酔いムードの街で、その表情は対照的なさわやかさだった。