DJポリスにカメラ殺到するも「写真撮影はやめて」
そんな騒ぎを虎視眈々と狙っているのは、(記者もそうだが)メディアのレンズだ。特にテレビのクルーはハチ公前広場に陣取り、仮装者の品定めをしている。
「面白いのいないっすね......」 某社のカメラマンがぼやく。定番のミニスカポリスなどの撮影を一通り終えてしまい、お眼鏡にかなう仮装がなかなかいないらしい。一方、別の社では、若い男性レポーターが群衆を背に、「渋谷駅は今、まさに仮装パーティー状態です!」とあおるように叫んでいる。実際、ハチ公前~センター街の人出は、時間を追うごとに増えていく。
23時過ぎ、ついに待機していた機動隊の「DJポリス」が車上に立ち、スクランブル交差点の誘導を開始した。すると、「本物のDJポリスだ!」と喜んだ通行人がその周りに集まり、一時かえって横断歩道周辺が混雑状態に。さすがのDJポリスも、話題となったユーモアを交える暇もなく、「付近のドライバーの方が迷惑されています! 写真撮影の方は早く歩道にお上がりください......」と連呼するほかなかった。
0時。電車もそろそろなくなり始め、センター街はともかく、ハチ公前広場は急にさびしくなる。お役目を終えてDJポリスも姿を消すが、それと入れ替わるように、「ああ~あああああ~あ」と、広場には「北の国から」のメインテーマが流れ始めた。