正常な細胞が、がん細胞を初期の段階で攻撃 北大がパワーアップの化合物発見

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   北海道大学遺伝子病制御研究所のチームは2015年10月26日、初期段階のがんの治療や予防に役立つ低分子化合物を見つけることに成功したと発表した。論文は10月20日付の英国科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。この低分子化合物を、初期のがん細胞の周辺にある正常な細胞に加えることで、がん細胞を排除する能力が高まるという。

   人間の体には毎日数千個もの少数の変異を持つ細胞が発生している。「がん前段階」の細胞で、がんのステージでいうと「0(ゼロ)」に分類され、発見するのが難しい。それを予防的に排除する治療法は見つかっておらず、今回の発見で、薬によるがんの予防を実用化できる可能性が出てきた。

   同研究所の藤田恭之教授らの研究チームは、スクリーニング(ふるい分け)という手法で、正常細胞が持っている変異細胞を攻撃する能力を促進させる低分子化合物を見つけた。この低分子化合物を実際にマウスや哺乳類の培養細胞に加えてみると、正常細胞の攻撃力が増すことを確認できた。研究チームは「初期のがん細胞を見つける診断が確立されれば、がん予防薬の開発につながる」と話している。

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