発注者の黙認もあった?
データ偽装が行われてしまう背景については、工期のプレッシャーが影響している。
横浜市のマンションのケースでは、支持層に打ち込まれた杭の長さが2メートル足りなかった。しかし、より長い杭をあらためて発注するとなると、新しい杭が届くまで1~2週間は工事が遅れてしまう。
「気づいても面倒なことを言ってくれるな、という現場の雰囲気もありえる」
と仲盛さんは言う。
弁護士や建築士が会員の「欠陥住宅関東ネット」事務局次長の谷合周三弁護士も同様に指摘する。偽装は業界全体の問題だとして、
「マンションなどの販売時期や工事の費用は決まってしまっている。納期に間に合わせるため、多少のミスや不具合があってもやり過ごすことはありえる。偽装は末端の施工担当者がやったことだとしても、発注者の黙認があったと考えられます」
とJ-CASTニュースの取材に述べた。