「女性の美」をめぐる多くの都市伝説の中で、最もインパクトが強いのが「セックスでキレイになる!」だろう。
巷のサイトでは、「昨晩お酒を飲んでからセックスしたら、女性ホルモン出まくったみたいで、肌つやがプリプリに」という納得派もいれば、「いちおう主人とは普通にしていますが、特に『キレイだよ』とほめられたことはありません」という懐疑派もいて......。
女性が一生のうちに分泌する女性ホルモンはスプーン1杯分
「セックスでキレイになる」という噂の根拠は、快感が高まると「最高の美容液」といわれる女性ホルモンのエストロゲンが分泌されるという点にある。ここで女性ホルモンの基礎知識をおさらいしよう。女性ホルモンにはエストロゲンと、プロゲステロンの2つがある。エストロゲンは肌や髪の潤いを保ったり、女性らしい丸みをおびた体を作ったりするのに欠かせないことから「美人ホルモン」と呼ばれる。一方、プロゲステロンは主に妊娠や授乳のための体作りをつかさどり、食欲を増進させることから「おデブホルモン」と呼ばれて嫌われがちだ。
このため、美容面ではエストロゲンばかりにスポットライトが当てられるが、プロゲステロンなしではエストロゲンは作られず、両者は持ちつ持たれつの関係にある。女性が一生のうちで分泌する女性ホルモンの量は、わずかティースプーン1杯分ほどという。「女性ホルモンは、量を増やすよりバランスが大切」といわれるのは、超微量な2つのホルモンが、デリケートな配合で役割分担をして女性の健康を支えており、ちょっとした崩れが不調を招くからだ。