トヨタが「エンジン車ゼロ」目指してアクセルを踏んだ 目標の2050年に「自動車の歴史」が変わる?

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   トヨタ自動車は2015年10月14日、2050年までに新車から出る二酸化炭素(CO2)をゼロにすることを盛り込んだ環境目標「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表した。事実上、今のガソリンエンジンだけで走る自動車の販売をほぼゼロにすることを意味する。

   トヨタが35年先という超長期の経営目標を公表するのは初めてだ。35年と言えば、普通の民間企業なら場合によっては存在しているかどうかも分からないくらいの時間ではあるが、世界のトップメーカーとして「もっと次世代車普及を急ごう」との思いを訴えたかったようだ。

  • 2050年までにガソリン車ゼロにできるのか(画像はイメージ)
    2050年までにガソリン車ゼロにできるのか(画像はイメージ)
  • 2050年までにガソリン車ゼロにできるのか(画像はイメージ)

地球環境のためCO2の排出をなくす

「ハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)を開発してきたが、地球環境は刻々と悪化している。30年先を見据えたより高い水準への挑戦が必要だ」

   「環境チャレンジ」を発表した記者会見で、トヨタの内山田竹志会長はこう強調した。

   現在の自動車で主流であるガソリンエンジン車は19世紀後半にドイツで発明され、20世紀に入って米国の「T型フォード」などの大量生産によって本格普及が始まった。ほどなくトヨタなど日本勢も開発に乗り出した。2015年までに130年ほどの歴史が過ぎたことになる。この間、発展途上国でもガソリンエンジン車は一定程度の普及を達成し、現在、世界で10億台以上が保有されている、との見方もある。いずれにせよ、世界で有力な移動手段とされているのは間違いない。

   ガソリンエンジンの動力源がガソリン。その原料である原油が枯渇する、との指摘は前世紀からあるが、近年では米国でのシェールオイル採掘など新たな動きも起きている。お金さえかければ、ある程度の原油は採掘を続けられる、というのが大方の見方でもある。

   トヨタとしても、ガソリンがなくなるからガソリンエンジン車の次の世代の車に行こう、と言っているわけではなく、CO2など温室効果ガスの排出量増加による地球温暖化、異常気象などに歯止めをかけよう、という観点からの目標設定だ。

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