山手線「異臭騒ぎ」の原因 「ハロウィン仮装の塗料」なのか

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   帰宅ラッシュ時の山手線を「異臭騒ぎ」が襲った。「テロ?」「シンナー臭い」――ツイッターには、現場に居合わせたユーザーからの報告が続々と寄せられた。

   一体「異臭」の原因は何だったのか。時節柄、ハロウィン仮装をした乗客の衣装に付いた塗料では、とも一部で報じられているが、JR東日本の担当者は「原因は分かっていない」と話す。

  • 「なんかシンナー臭い」の真相は?(画像はイメージ)
    「なんかシンナー臭い」の真相は?(画像はイメージ)
  • 「なんかシンナー臭い」の真相は?(画像はイメージ)

ホームにも臭いが漂っていた?

   騒動が起こったのは、2015年10月28日の19時半頃。東京都渋谷区のJR代々木駅で、山手線内回り電車(11両編成)の8号車にいた乗客が「シンナーのような臭いがする」と駅員に通報した。駅員は乗客約3200人全員を同駅で降ろした。また20時5分頃には2駅隣の渋谷駅でも、この電車の1本後を走っていた内回り電車で乗客から「シンナーのような臭い」が報告された。この異臭騒ぎにより、JR東日本は内回り電車2本の運転を見合わせた。計15本が最大47分遅れ、計約2万人に影響が出た。

   原因は分かっているのか。JR東日本広報部によると、いずれの車内からも異物は見つかっておらず、異臭の原因や通報者以外の乗客が異臭を訴えていたのかどうかは「現時点で分かっていない」という。また、29日に運行した電車については、29日17時現在で異臭の報告はなされていない。

   結局、これまでのところ異臭の原因は分かっていない。ただ、騒動が起こった当時、現場に居合わせた乗客はツイッターで異臭を訴えていた。

「渋谷からなんかシンナーくさい」
「明らかに変なのが乗ってるとしか思えん」
「テロじゃねーの?」

ツイートを見る限り、かなり強い臭気がしたようだ。ホームにも臭いが漂っていたのか、「ホームが臭い」といった投稿も見られる。また、10月29日付け朝日新聞電子版は、両駅の該当車両付近に当時「ハロウィンのような仮装をした乗客」がいたといい、「衣装についた塗料などが(異臭の)原因ではという見方もある」と報じている。

過去には「乗客がシンナーを吸っていた」事例も

   過去の報道を見ると、乗客が報告する電車内の異臭は「焦げ臭いにおい」が多いようだ。15年4月24日の17時10分頃、大阪市にある東海道新幹線新大阪駅で停車していた新大阪発東京行きこだま678号(16両編成)の車内から「焦げたような臭いがする」との通報があった。また、14年12月17日14時半ごろ、市川市の京葉線二俣新町駅で停車中の蘇我発東京行き上り電車(10両編成)に乗っていた10代の少年が「座席下から焦げ臭いにおいがする」と車掌に申し出ている。

   一方、「シンナーのような臭い」が報告された例も少数ながら確認できる。06年9月1日7時45分ごろ、大阪市北区のJR大阪駅で尼崎発高槻行き普通電車(7両)から降りた男性が駅員に「2両目でシンナーのような臭いがする」と訴えた。

   また、02年3月9日には実際に車内でシンナーを吸った乗客が逮捕される事件も起こっている。容疑者の男性は名古屋方面に一人旅をして帰る途中、名古屋発難波行き近鉄特急の座席でビニール袋に入れたシンナーを吸っていた。車掌が発見し警察へ通報。02年3月10日付け朝日新聞朝刊によると、男性は警察に「昨年、父が死んだ。人間関係もうまくいかない。むしゃくしゃしていた」などとその動機を話したという。

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